ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > インターネットバンキングの不正送金が過去最高に
元旦が水曜日だったため、今回の「データから読む」が2014年のスタートとなります。今年も「データから読む」をよろしくお願いします。
本日1月8日は、時代が昭和から平成に変わって25年という日です。四半世紀の間に、いろいろなものが大きく変わってきました。その中でも、いまや誰もが普通に利用しているインターネットは、まだ"使える"状態とは言えませんでした。
今では瞬時に届くEメールも、早くて数時間、場合によっては翌日ということもありました。それが進化を遂げて、あらゆるものがネットを経由してやり取りされる状況になっています。今回は、ネット社会が進化してきた裏に潜む問題についてみてみたいと思います。
銀行に行かなくてもパソコンやスマホから
ネットのインフラはどんどん進化して高速化し、ネットは生活必需品になりつつあります。かつて、銀行口座への入出金や振り込みなどは、自分の口座のある金融機関に出向く必要がありました。しかも、9時から15時の間という制限つきです。それが今では、自宅のパソコンや、移動中のスマートフォンなどから、基本的にいつでもお金の移動が可能になっています。このように便利なものが出てくると、そこに"落とし穴"ができるのが世の常です。最近、このネットバンキングを介して、他人の口座からお金を不正に入手する犯罪が急増しています。
不正送金被害が急増
警察庁によると、2013年は5月までは月10〜30件という件数でしたが、6月以降は100件を超えるペースで推移しています。さらに10月には200件を超え、11月までに累計1125件を数えるまでに拡大しています。1件当たりの被害金額を計算すると105万円となり、2012年の75万円から見ると4割アップとなっています。さらに、被害総額ベースでは、最も被害の多かった2011年に比べても4倍に増えています。
手口の多くは、金融機関のWebサイトとそっくりなサイトに誘導して、個人情報を入力させるフィッシングというものです。しかし、利用者のパソコンをウイルスに感染させて、個人情報を盗み取る手口も増えています。こちらは、セキュリティレベルが低いパソコンが狙われる可能性があります。
高齢者のネット環境に不安が
インターネットの普及にともない、利用者のセキュリティ意識は高まってきています。しかし、日本人の国民性もあってか、その意識がいまだ低い方がいることも事実です。情報処理推進機構がまとめた「情報セキュリティの脅威に対する意識調査」によると、インターネットバンキングや株などのネット取引の利用者は50代や60代の方が多く、電子メールの利用者も50代以上の方が多くなっています。そして、普及が進んでいる、自宅の無線LANのセキュリティでは、右の図のように高齢者ほど暗号化を行っている人は少なくなる傾向にあります。このように、貯蓄額の多いといわれる高齢者が利用しているインターネットインフラが、脆弱である傾向が見て取れます。
安心して利用できるインターネットインフラを提供
利用者側のセキュリティレベルを底上げする必要がありますが、一方で、安心して利用できるインフラを社会に提供することも必要です。インターネットバンキングの不正送金などを含むサイバー犯罪に対して、被害の拡大を抑えようと、警察庁では民間と協力して対策を始めています。セコムも警視庁と協定を結び、情報の連携や捜査への協力を行っています。さらに、今年1月から、インターネットバンキングをより安全・安心に利用できるように、新しいサービスを開始します。安心して利用できるインターネット環境を増やしていくことで、"落とし穴"を少しでも減らしていければと考えております。
【関連情報 pick up!】
・接続端末から安全な通信経路の確保「セコムプレミアムネットサービス」
・警視庁とセコムがサイバー犯罪で協定締結
・データから読む「インターネットバンキング不正送金の新たな手口」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
自宅の無線LAN環境の暗号化レベル
(情報処理推進機構調べ、2013年12月)
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