ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > インターネットバンキング不正送金の新たな手口
警察庁が発表したサイバー犯罪の検挙状況によると、2013年上半期の検挙件数は4093件となり、前年同期比で825件の増加となっています。現実世界での犯罪件数は、ここ数年減少が続いていますが、サイバー空間での犯罪は増加の一途をたどっています。中でも、インターネットバンキングのIDやパスワードを盗まれて、預金が不正に引き出される被害が急増しています。
インターネットバンキングの被害額は5億円を突破
今年1月から9月20日までに5億5000万円の被害となっています。2012年は被害額がやや少なかったものの、2011年の被害額3億800万円をすでに超えています。最近の報道をみると、7月までに3億6000万円、8月までに4億1600万円という記事が見られます。特に6月以降の被害額が多いようで、毎月1億円ほどの被害が発生しています。
ウイルスに感染したパソコンでのインターネットバンキングは危険
最近、インターネットバンキングを利用しようとすると、「暗証番号を盗み取ろうとするコンピュータウイルスにご注意ください」などというメッセージが、サイト内の一番上の目立つところに必ず表示されるようになっています。通常であれば、契約番号やお客様番号を入力した後、ログイン用のパスワードを入力するだけで、所定のサイトにログインすることができます。
ところが、ウイルスに感染したパソコンなどからログインしようとすると、乱数表や合言葉などの情報を入力するような表示が出てくる場合があります。ここで、入力してしまうと、これらの情報が盗み取られてしまい、気が付くと預金残高がゼロになってしまいます。
ワンタイムパスワードの扱いに注意
このような手口への対策として、ワンタイムパスワードという、その場限りのパスワードを使う方法を勧めている金融機関が増えています。パスワードの発行にトークンと呼ばれる専用の機器を使う方法と、取引の度にメールでパスワードを受け取る方法があります。前者に関しては盗み取られる可能性は、まずないと思われますが、後者の場合は注意が必要です。
近年、利用者が増えているウェブメールの場合、そのウェブメールサービスのサイトにログインする際の、IDとパスワードをウイルスの動作によって盗まれてしまいます。その情報をもとに、犯人はウェブメールにアクセスして、ワンタイムパスワードを盗むといった具合です。使用しているパソコンとは別の、携帯電話やスマートフォンのメールでワンタイムパスワードを受け取るようにしましょう。
ネット社会に生きる私たちにできること
サイバー犯罪が急増していることに対して、警察や民間、大学などの連携が始まっています。セコムでも警察と連携して、サイバー犯罪防止に協力しています。産学官の連携によって、ネット社会での犯罪に立ち向かわなくてはなりません。さらに、利用者ひとりひとりの対策も重要です。
もはや、パソコンの中だけで起こっていることではなく、社会に大きな影響を与えているのがサイバー犯罪です。セキュリティ対策を施していないパソコンなどを利用することは、利用者自らを危険にさらすと同時に、ネット社会全体への影響も少なくないのです。
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