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10月は泥棒の多い季節

 先週、東京・三鷹で周辺住民を震撼させる殺人事件が起きました。報道でも大きく取り上げられましたので、ご存じない方の方が少ないのではないかと思います。筆者がいつもいるところの近くでもあり、夕方に通り魔事件を知らせる、警視庁からの配信メールが届いてびっくりしました。ところが、ほどなくして犯人検挙のメールも届きましたので、安心して帰宅の途につくことができました。

殺人事件の多くは住宅で起こっている
 今回の事件は、ストーカー行為がエスカレートして殺人事件に発展しています。しかも、自宅に忍び込んで犯行に及んだもののようです。警察庁の調べによると、2012年に発生した殺人事件は1030件で、うち発生箇所が戸建て住宅のものは343件と、全体の34%に上ります。ちなみに、集合住宅が31%、事務所等が10%、街頭が20%と、多くは住宅内で発生しているのです。

戸建て住宅狙いの泥棒の9割以上は1階から侵入している
 犯人は、エアコンの室外機を足場として、2階の無施錠の窓から侵入したようです。殺人事件での侵入手口のデータではないのですが、窃盗犯の侵入についてみると、戸建て住宅における窓からの侵入は全体の58%です。うち、無施錠だったのは37%で、最も多いのは、ガラス破りで全体の56%となっています。
 一方で、2階からの侵入は、非常にレアなケースです。明治大学の山本俊哉教授の「戸建て住宅の侵入被害開口部に関する実態調査」によると、戸建て住宅における侵入箇所のほとんどは1階で、2階からの侵入は6.6%となっています。
 このように、2階からの侵入は少ないようです。しかし、みなさんの中でも、2階だからということで、カギをかけずに出かけることはありませんか。今回の事件の犯人ではありませんが、逮捕後の供述で、2階以上の部屋は無施錠が多かったという報道を見ることは少なくありません。

泥棒は侵入できそうなところを探している
 泥棒に狙われないためにも、防犯対策を怠らないでください。最近の住宅侵入盗の月別の件数をみると、10月の侵入件数が1年の中で最も多くなっています。2004年から2012年までの月別平均ですが、多い順に、10月、3月、5月、11月、1月となっています。
 また、2階からの侵入件数は少ないものの、2階へのアプローチを排除しておくことも大切です。エアコンの室外機を始め、屋外倉庫、脚立、自転車、冬タイヤなど、足場として使えそうなものの置き場所には注意してください。
 さらに、住人が在宅時に侵入してくる、忍び込みや居空きも増えています。万が一、犯人と鉢合わせてしまったら、侵入盗が強盗に豹変するかもしれません。さらに、殺人犯にならないとも限らないのです。

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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰

 
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