子どもたちの夏休みも中盤に
　暑い日が続きますが、皆さんお変わりはありませんでしょうか。8月に入り、子どもたちの夏休みも中盤に入ってきています。そろそろ「夏休みの宿題」が気になり始めたお子さんも多いのではないかと思います。子どもたちが頭を悩ます「宿題」の一つに「自由研究」があります。昨年のコラムでは、「わが家の防犯チェック」をこの自由研究のテーマとして提案しましたが、今年は、もう少し広い範囲から「わが家の防災準備を考える」ことを自由研究のテーマとして提案させていただきたいと思います。

日本は自然災害が多い国として有名
　本コラムで過去何回も触れましたが、広い意味での「個人のセキュリティ」とは「起こるかもしれないさまざまな(悪い)出来事にできるだけ影響されず、平穏な日々の生活が続くこと」です。
　この「日々の平穏な生活」を脅かすものの代表に、自然災害があります。つい先日も、東北や山陰で豪雨による大規模な水害がありましたが、日本は、国土全体が地震の多い環太平洋火山帯の真上にあるだけでなく、台風の通り道にもあたる場所でもあることから、震災、風水害などの自然災害の多い国として世界的に知られています。日本に住む私たちは、常に被災者になるリスクと隣り合わせであるということです。
　私たちは、いつ、電気などのライフラインが途絶えた状態で家にとどまらなければいけない、また避難したりしなければならない状況に遭遇しないとも限りません。そのような時に備えて、非常時にどう行動するかを考え、「災害時備蓄品」や「非常用持ち出し袋」を用意している人も少なくないかと思いますが、皆さんのご家庭ではいかがでしょうか？

夏休みにぜひ災害時シミュレーションを
　８月に入り、これから大人も夏休みシーズンに入ります。この機会に、子どもの自由研究を手伝って、災害に遭ったときのためのシミュレーションを行うことは、有効な夏休みの使い方になるかと思います。
　災害時シミュレーションでは、まず、非常時に、家族の一人ひとりがどう行動するかをよく考えておくことが重要です。災害発生時における自宅内の危険カ所も確認し、可能であればこの機会に対策をしてしまいましょう。外出時に、災害が発生した場合も考え、連絡手段や、連絡が取れなくても最終的に落ち合う場所などを決めて、その情報を家族で共有することも大切です。

備蓄品、持ち出し品のメンテナンスも重要テーマに
　自宅待機の場合の備蓄品、避難所に避難する際の持ち出し品の「棚卸し」を行い、過不足が無いかどうかを確認することも自由研究のテーマになります。「災害時備蓄品」や「非常用持ち出し袋」をチェックする場合は、懐中電灯やラジオなどの一般に言われているもののほか、「現在の家族の状況」の観点からのカスタマイズをオススメします。
　皆さんが数年前に用意したモノは、今も本当に使えますか？備蓄保存食や飲料水には賞味期限があります。期限が迫っている場合は、新たな備蓄食糧を用意しましょう。市町村のウェブサイトなどで、自治体が準備している食糧にはどのようなものがあるのか、供給体制はどうか、などを確認し、まとめておくのも良いでしょう。
　さらにラジオや懐中電灯などの電池の確認も重要です。電池も「使用推奨期限」があります。また、機械にいれているだけでも消耗、液漏れしている場合もまれにありますので、電池を取り出して確認し、期限が近づいている場合はこれも入れ替えてください。電池の中には「液漏れしにくい」タイプもあります。「防災用」という用途を考えてこれを用意するのも良いかと思います。

身を守るための意識を高め、行動を起こすきっかけに
「自らを守るための知識」は、本来は万人が必要とするものでありながら、それをきちんと学び、準備する機会はあまり多くはありません。子どもたちの宿題、「夏休みの自由研究」が、子どもたちだけでなく、大人も含めた家族の意識を高め、行動を起こすためのきっかけになればと思います。

（参考)
・安心豆知識「夏休みの自由研究で『わが家の防犯』をチェック」
・セコム・子どもの安全ブログ「防災について考えよう ニューヨークの災害対策」
・安心豆知識「『平穏な日々の生活』が続くことこそ大切」
・セコムが厳選した防災用品一式セット

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甘利康文