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暑中お見舞い申し上げます
暑中お見舞い申し上げます。一年のうちで一番暑い季節を迎えました。日本全国で暑い日々が続いております。最近、猛暑によって「熱中症」のニュースをよく聞きますが、皆さん体調は大丈夫でしょうか。
「熱中症」を表す季語
俳句の季語に、夏の暑さで体調を崩すさまを表す「霍乱(かくらん)」、「暑気あたり」などの表現があります。夏の暑さによって体調を崩すのは昔からだったようです。
俳句は、時々の情況、心象を、極めて短いテキストで表す、世界でも類を見ない文学表現の一つです。俳句には、「『季語』と呼ばれる季節を表す表現を入れる」、「五・七・五の17音で表す」という二つの大きなルールがあります。なぜこのようなルールが生まれたのでしょうか?
昔の日本人がはまった知的ゲーム
室町時代から江戸時代にかけての知的ゲームに、複数の人間で歌をつくる「俳諧連歌(はいかいれんが)」(俳諧)と呼ばれるものがありました。このゲームでは、最初の人が「五・七・五」(長句と呼ばれます)からなるはじめの句を詠みます。17音からなるこの第一句目は「発句(ほっく)」と呼ばれました。二番目の人は、この発句を引き継ぐ「七・七」(短句)の音の句を作り、三番目の人は、それを受ける長句を作り、を繰り返します。このゲームの最後の句(一般に36番目)は「挙句(あげく)」と呼ばれ、「あげくの果て」という日本語の慣用表現はここから生まれました。
俳句のルーツ
このゲームでは、始めの句「発句」に「時候の挨拶」として、その時々の季節を表す言葉を入れるというルールがあり、この季節感は、これから始まるゲーム全体に大きく影響を与えるという意味で、特に重要視されていました。
もうお分かりかと思いますが、「俳句」は、俳諧連歌の「発句」を独立させて生まれた文学表現なのです。「五・七・五」と「季語」という二つのルールは、俳諧連歌の「発句」ゆえに生まれたルールだったわけです。
さて、ここまで、そのルーツにも触れながら「五・七・五」や、季語と言った俳句のルールについて紹介してきましたが、ここで、俳句とセキュリティで使われている技術との関係について考えてみたいと思います。
俳句は、情報量が極小の詩歌
少ない文字数で「大きな世界観を表している」、「読者に解釈の自由度を与える」ことから、「俳句の情報量は大きい」と言う人もいますが、技術的観点では「情報量」は、その情報が曖昧性をいかに小さくするかで評価されます。17音しか持たない俳句の情報量は決して多くはありません。俳句とは、文字数の制限というルールで「曖昧さ」を持たせ(情報量を少なくし)、解釈の自由を与えて独特の余韻を醸しだす文学表現であるともいえます。日本文化独特の「美」である「わびさび」にもつながるところかと思います。
俳句とセキュリティで使われている技術の共通性
昔、セコムが「SPアラーム」の名前でオンラインセキュリティシステムを世に出し始めた頃、通信回線では極めて限られた情報しか送ることができませんでした。そのため、当時のセキュリティシステムでは、さながら俳句のように、現場の状況に関する情報を、コンパクトな形にして送らざるを得ませんでした。そして、制約によって優れた芸術性を生みだした俳句のように、当時のセキュリティシステムでは、この制約から生まれた技術も少なくなかったのです。
このようにして生み出された種々の技術は、「技術の水脈」を形づくり、動画という膨大な情報が通信回線上を流れるのが当たり前になった現在においても、セコムのセキュリティシステム、サービスに確実に継承されています。
セキュリティ技術の歴史と継承、そしてその蓄積。いにしえからの日本の美、「わびさび」が、現代の日本に間違いなく受け継がれているように、現在セコムが世に提供しているホームセキュリティにも、その技術の水脈は間違いなく息づいています。ホームセキュリティを選ぶ際の参考にしていただければと思います。
(参考)
・安心豆知識「『あいまいさ』を減らすもの」
・セコム創業期物語「第9回「SPアラーム」の開発に着手」
・セコムの「研究・開発部門」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文
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