ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > ブレーキランプを5回点滅したことありますか?そのステッカーが「力」を持つ理由
「ブレーキランプを5回点滅」という行為
ブレーキランプを5回点滅。皆さんはこの行為の意味がお分かりでしょうか?今、働き盛り世代の日本人であれば、この行為の持つ「特別な意味」が分かる人は少なくないのではないかと思います。
あるヒットソングが大元
種明かしをします。この行為がある特定の意味を持つようになったのは、1990年代初頭にヒットしたあるラブソングに端を発します。その歌詞の中では、ドライブデートで女性を降ろした後、車で遠ざかっていく様子が描かれ、「ブレーキランプを5回点滅させることが『愛している』を表すサイン」であることが、心に残るメロディと共に歌われていました。それ以降、ブレーキランプの5回点滅が、「I love you」を表現する行為と受け取られるようになったようです。
直接の言葉として口に出すには、少し恥ずかしく、照れるような内容の「意味」であったとしても、ブレーキランプを5回点滅させる行為であれば、さほど照れずにできることもあり、当時、同様の行動をとった男性も多いのではないかと思います。自分を降ろした後、遠ざかっていく車のブレーキランプが5回点滅するサインを見た女性には、当然それが「特別なある意味」を持つメッセージであることが分かり、そしてそして、、、というお話です。
もともと何の関係もないはず・・・
多少無粋ですが、ここで本質的観点から、この状況を少し考えてみたいと思います。もともと「ブレーキランプの5回点滅」という「サイン」と、「I love you」という「意味」の間には、全く何の関係もありません。大元になった歌を知らない人には「ブレーキランプの5回点滅」というサインには、ブレーキペダルを5回踏んでいることを超える意味は無いわけです。
言語学で理解すると・・・
近代言語学では、サインのことを「シニフィアン」、そのサインが指し示す概念や意味を「シニフィエ」と呼び、両者が結びつくことで「意味伝達の体系」である言葉ができるとしています。この「結びつき」には自然的、必然的な理由はなく(「恣意的」と表現されています)、両者が「経験」によって結びつくのが母国語の習得過程であり、そしてその過程において、言葉の習得のみならず、その言葉をツールとして概念の理解や学習がなされると理解されています。
先の例では、表記であるシニフィアン(ブレーキランプ5回点滅)と、意味であるシニフィエ(I love you)の間にはもともと何の関係もありませんでした。ところが、あるヒットソングが流行り、それを良く耳にするという人々の「経験」によって、両者の間に結びつきができ、「ブレーキランプの5回点滅」が「言葉」として機能するようになったのです。「歌は世につれ、世は歌につれ」ということわざを、そのまま体現した例かと思います。
「セコムのステッカー」についての言語学的解釈
さて、ここでセコムのステッカーを考えてみます。言語学的には、このステッカーもシニフィアン(表記)のひとつとなります。表記はシニフィエ(意味)と結びついてはじめてメッセージを伝達する役割を担えるようになります。物理的な表記としての「赤いステッカー」は、「セコムがセキュリティサービスを提供している」という意味と結びついて、はじめて「セコムのステッカー」となるということです。
そしてその「結びつき」のためには、母国語を習得する時のような深い「経験」が欠かせません。両者の結びつきが強ければ強いほど、「セコムのステッカー」は、「実体・信頼を伴ったセキュリティ」を意味する存在として人々に意識されるものになります。
「セコムのステッカー」の本当の意味
過去のコラムで「セキュリティには見せる側面がある」ということに触れたことがありますが、セコムのセキュリティは、それを提供するスタッフの行動の一挙手一投足に注意を払い、周りの人々に「見るからに安心だ」と感じてもらうことができるように考えて設計、訓練、実施されています。そして、「見るからに安心だ」と感じる人々の「経験」が繰り返されれば、繰り返されるほど、「セコムのステッカー」は物理的存在を超えて、特別な意味を持つようになります。
「セコムのステッカー」が特別な意味を持つようになったわけ
ここまでで、「セキュリティ」には、実績とそれによって形づくられた人々の信頼という「歴史」が重要になることがお分かりいただけるのではないかと思います。「セコムのステッカー」は、社名が入った単なるステッカーではありません。その「ステッカー」が、「お客様や周囲の人々に感じてもらう安心」という経験の積み重ねによってはじめて意味を持ち、その価値が決まってくる存在であることを、ご理解いただけるのではないでしょうか。
(参考)
・安心豆知識「セキュリティスタッフの第一印象」
・セコムステッカーについて
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文
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