ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 「地理情報サービス」で日本の防災に貢献する(株)パスコ
地理情報サービスのトップ企業である(株)パスコは、航空機や人工衛星を使って建物や土地、河など地球上のあらゆる空間情報を世界最先端技術で高精度かつ迅速に撮影・計測し、国や自治体へ地図を提供しています。そのほか、空間情報を活用して、地震・津波などの自然災害に対する災害対策サービスも提供しています。
今回の現場レポートでは、東京・目黒にあるパスコ本社を訪ね、防災のコンサルテーションからサービス提供までを行う、コンサルタント事業部防災技術部防災一課の細川和弘主任にお話を伺いました。細川主任は大学院を経て、1991年にパスコに入社。以来、国や自治体が行う災害対策のサポートを行っています。
Q.パスコの防災サービスについて教えてください。
災害対策は、国や都道府県、市区町村などの各自治体が主体となって行っており、パスコではそれらの自治体から依頼を受け、空間情報を活用した災害対策全般のサポートを行っています。
パスコでは自治体から依頼を受けると、そのエリアでどういった災害が発生するか過去の災害や文献などを参考にして、自治体の担当者や有識者らとともに災害の発生場所や規模を想定し、被害予測を踏まえた防災対策の資料を作成します。
そして、その資料をもとに、自治体とともに防災計画作りを行います。防災計画が完成すると、その計画にもとづき危険な場所や避難場所などを表記した「ハザードマップ」などを作成するほか、地域住民が集まる町内会に自治体の担当者と出向き、そのエリアでどういった防災対策が必要になるのか説明を行っています。
Q.日本の防災に、パスコも一役買っているのですね。
パスコでは、どうすれば被害を防げるかを徹底的に考え、取り組んでいます。
たとえば地震対策を行う際、そのエリアの地下にどういった活断層があり、その上にどういった建物があるか、どの位の被害が発生するか予測し、それを地図に視覚化します。その上で、医療施設や備蓄量が十分なのか、建物の耐震性の確認や、津波発生時に地域住民が逃げ込む津波避難タワーが最適な場所にあるかなどを検討していきます。
1年以上かかる案件ばかりですが、防災・減災は人命を守るために不可欠で、一切の妥協はできません。
Q.東日本大震災の際も、被災地支援を行ったそうですね。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、すぐさまレーダー衛星「TerraSAR-X(テラサーエックス)」やそのほかの衛星を駆使して青森県から千葉県におよぶ沿岸地域のデータを収集・解析処理を行い、国や自治体が被災状況を正確に把握するための支援を行いました。
また、各種救援活動のサポートになるよう、パスコのホームページ上で同様の情報を無償で公開するほか、被災地に出向き、津波の被害状況の計測などを行いました。
Q.土砂災害に対する防災サービスも提供しているそうですね。
土砂災害は地震や豪雨によって発生しますが、その対策として、土砂の移動を常に把握・監視することが必要となります。
そこでパスコでは、人工衛星や航空機でそのエリアを撮影し、広域にわたる土砂の移動状況を予測・把握しています。そして、それらを地図に視覚化することで、国土交通省が適切に土砂管理を行えるようにサポートしています。
Q.今後の抱負について教えてください。
自然災害は、起こる前の対策がなによりも大切です。私は、災害対策について徹底的に考え、パスコのあらゆる技術やシステムを活用して、災害から一人でも多くの人々を守りたいと思っています。地味な仕事ですが、社会の「安全・安心」を守る縁の下の力持ちとしての誇りと情熱を持って、今後も災害対策に取り組んでいきたいと思っています。
(参考)
・(株)パスコはこちら
・東日本大震災に際してパスコが提供した情報はこちら
・"全体像"で理解する「現場レポート」はこちら
セコム株式会社
コーポレート広報部
(株)パスコ
コンサルタント事業部
防災技術部防災一課
細川和弘主任
東日本大震災の際に、津波の
被害状況把握の計測を行うパスコ社員
合成開口レーダー衛星「TerraSAR-X」
(C)EADS Astrium
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