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いざという時に備えて訓練が必要

 皆さんはテレビなどで出演者が話した直後に、聞いた内容をそのまま後をついて言うことができるでしょうか?多くの人は、普段使っている日本語であれば、比較的簡単にできるでしょう。それでは、なじみのない外国語の場合ではどうでしょうか?おそらく、すらすらできる人は、ほとんどいないのではないかと思います。

 なじみのない外国語で、人の言っていることの後をついてそのまま同じことを言うのは、大変難しいことで、多くの人はほとんどできません。これをすらすらできるようにする練習は「リピーティング」と呼ばれ、外国語の習得に非常に効果のある勉強法であることが分かっています。

 私たちが、聞いた内容をそのまま繰り返せるのは、普段から耳にし、口にしている言葉であるからこそできることなのです。母国語では、意識することなく普段から絶え間ない訓練をしています。日本語のリピーティングが難なくできるのは、日ごろの訓練があってこそできるといえます。

何かあったときに備えて訓練が必要
 さて、それではセキュリティにおいてはどうでしょうか。セキュリティにおいては「何かあったとき」に迅速に対応することが求められます。例えば、国のセキュリティを担当している自衛隊は、何もなくても、普段から「何かあったとき」に備えて繰り返し訓練をしており、それゆえ、例えば災害など、本当何かあったときに迅速に行動することができます。これは、なにも自衛隊に限ったことではなく、警察官、消防士などの社会のセキュリティを担う職種においても同様です。

民間のセキュリティサービスでは
 さて、それではセキュリティをサービスとして提供する民間のセキュリティ会社はどうなのでしょうか。民間会社であっても、社会に対してセキュリティというサービスを提供している以上、「何かあったとき」に備える研修や訓練は欠かせません。

 セキュリティ会社は、警備業法という法律の規定に基づいてセキュリティサービスを提供しています。この法律およびその施行規則の中に、セキュリティサービスを提供するスタッフが受けなければならない教育についての規定があります。たとえば、新入社員が実際のセキュリティの仕事に就くまでには30時間以上の研修(法定研修)を受けなければなりません。これは義務であり、たとえアルバイトであってもこの教育を受けずにセキュリティのフィールドに立つことは許されていません。

 もちろんこの法定研修は最低限であり、セコムでは実際にセキュリティサービスを提供するスタッフに対し、より多くの時間をかけて、これまでの経験の中で培ったノウハウを活かした手厚い研修を実施しています。セコムが、全国において質の高い均一のサービスを提供できているのも、この研修があってこそといえるでしょう。

 セキュリティは「人によるサービス」を基本としています。そして「人によるサービス」であるからこそ、日ごろからの研修や訓練などの教育をいかに実施するかで、その質が左右されるのです。セキュリティが、インターネットで価格のみを比較して買うものではないことがお分かりいただけるかと思います。

(参考)
・安心豆知識「その組織は人を育てているか サービス業の宿命」(2010/10/18)
・警備業法(総務省e-gov)

セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文

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