ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 情報の価値とセキュリティとの関係
インターネットにより情報化社会が具現化し、モバイル端末の普及もあって、さまざまな情報に簡単にアクセスできるようになりました。ところで、そもそも「情報」とは一体何なのでしょうか。情報は、コンピューターやモバイル端末などの機器ではありませんし、インターネットなどの仕組みでもありません。
情報とは、コンピューターやインターネット、モバイル端末などが現れるずっと前から技術的な研究の対象でした。「物質やエネルギー、イベントなどが空間的、時間的に並ぶことでできたパターン」を指し示す概念が情報というものです。
情報を構成する「ものの並び」、すなわちパターン自体は、本来は意味を持っておらず、このパターンに人が意味を与え、解釈できるものとすることで、始めて役立つものとなるのです。
戦国時代の情報伝達手段「のろし」とは
「のろし」は、火が燃えるときに上がる煙にパターンを作って意味を持たせ、それを伝達することで、その意味を遠方に早く伝えようとしたものです。古くから人はこれを「ある出来事」が起こったことを伝える手段として使っています。
たとえば、武田信玄は、のろしをリレーさせることで「上杉謙信が出陣したこと」を短時間で知ることができました。見張り役というセンサーが「出来事」を検知し、のろしという通信手段を使ってそれを伝達、対応のためにそこへ駆け付けるという仕組みは、まるで今のセキュリティサービスのようです。
情報の「ありがたさ」は何で決まるのか
さて、それでは情報の「ありがたさ」、すなわちその価値は、何で決まるのでしょうか。たとえば梅雨などの雨が多い季節に「明日は雨」という情報を得るのと、太平洋側で雨がほとんど降らない季節の冬に「明日は雨」という情報を得るのでは、その「ありがたさ」の度合いが違います。
乾燥した季節に、雨という情報を得た場合は、外に洗濯物を干さないとか、傘を持っていくというような形で、行動を変えることができます。一方、雨の季節に雨という情報を得ても、そもそも雨が降ることが多いことから、行動を変える必要性は小さいのです。
もっと簡単な例で、相撲で「横綱が平幕に勝った時」と「平幕が横綱に勝った時」で、どちらの方が翌日のスポーツ新聞が売れるかということを考えます。横綱が平幕に勝つのが珍しいことではないのに対し、逆はなかなか起こらないため、平幕が勝った時の方がスポーツ紙はよく売れることでしょう。
「ありがたさ」の度合い、すなわち「情報の価値」は「起こりにくい出来事」に関する情報の方が大きいことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
「ありがとう」とセキュリティはどう関係しているのか
「ありがたさ」は、漢字で書くと「有り難さ」であり「ある出来事の起こりにくさ」のことです。日本人は「起こりにくい出来事」に価値を感じ、「ありがとう」という言葉で感謝の意を表現します。日本語という言葉の奥深さを感じます。
セキュリティとは、泥棒被害や火災、情報漏洩など、普段はあまり起こらないさまざまな不具合に対応することです。過去のコラムで、韓国語の挨拶「アンニョンハシムニカ」とセキュリティとの関係について触れたことがありますが、私たちの母国語、日本語では、セキュリティと関係があるのは、感謝を表す言葉「ありがとう」であると言えます。
(参考)
・安心豆知識「韓国の挨拶はセキュリティと結びつく」(2010/6/6)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
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