セコムのメディカル事業は、1991年６月に日本初の民間による本格的な「在宅医療サービス」を提供したことから始まりました。そして、2002年３月、それまでのセコムの医療事業部門と医療関連会社３社を統合して、セコム医療システム（株）を設立しました。

　現在では、薬剤提供サービスと訪問看護サービスを中心とする「在宅医療事業」のほか、「ＩＴ・ネットワーク医療事業」「介護事業」「シニアレジンデンス」「健康・予防事業」といった幅広い分野で、さまざまなメディカルサービスを提供しています。

　今回は、遠隔画像診断支援サービスを運用するホスピネットセンターを訪ね、古賀祥基さんに話を伺いました。古賀さんは、セコムに入社後、セキュリティスタッフを経験されたのち、ホスピネットセンターで勤務され、ホスピネットセンターのリーダー的存在です。

Ｑ．ホスピネットは、どのようなサービスですか。
　ホスピネットは、ご契約先の医療機関から、CTやMRといった画像診断装置で撮影された画像データを、ホスピネットセンターに送信し、その画像を放射線科の専門医が診断します。その診断結果をご契約先の医療機関に報告し、主治医の診断をサポートするのです。日本では、画像診断を専門で行う医師が不足しています。医療機関がCT、MRなどの撮影装置を保有してはいても、専門医が確保できないことがあります。セコムは、1994年に商業ベースで日本初の遠隔画像診断支援サービスを開始しました。

Ｑ．担当している仕事について教えてください。
　届いた画像データの専門医への振り分け、医療機関からの問い合わせ対応、専門医のリクルート活動、画像診断に必要な患者さんの臨床情報の収集などを行っています。また、各医療機関とホスピネットセンターを結んでいるネットワーク、システムは自社開発しているので、メンテナンスも行います。

Ｑ．日ごろ、心がけていることを教えてください。
　医療機関によって異なる運用方法や要望に柔軟に対応しています。また、常に医療現場の目線を持ち、医療機関での医療の質向上に繋がるように、医療現場のニーズにあったサービスであるように心がけています。
　特に、手術前や交通事故など、一刻を争うような状況も多いので、医療機関からの要望に応じて、専門医に迅速に対応してもらうように調整します。

Ｑ．仕事で苦労されたことを教えてください。
　セキュリティのサービスを提供する会社として、個人情報保護の観点から、医療機関や専門医の方々とやりとりをする情報について、とても気をつかっています。また、ホスピネットは、人とシステムの両方が不可欠なサービスですが、最終的なサービス結果は、専門医の診断レポートです。ご契約先からの依頼内容に応じて、適切に専門医へ振り分けるのに日々苦労していますが、医療機関の方から「おかげで、がんを早期に発見できた」、「手術が成功した」 などの臨床結果も耳に入るのでやりがいがあります。

Ｑ．今後の抱負を教えてください。
　医療機関でも院内システムのIT化が進んでいますので、電子カルテなどの院内ITインフラとの融合を進めて、さらに医療従事者が利用しやすいシステムを構築したいです。
　また、がんの早期発見に役立つPETやマンモグラフィなどの撮影装置の画像診断もラインナップに加えるなど、医療の質の向上や、僻地での医療格差の低減につながるサービスを増やしていきたいです。

（参考）
・遠隔画像診断支援サービス「ホスピネット」はこちら

・"全体像"で理解する現場レポート

セコム株式会社
コーポレート広報部