ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 人の目がなくなったとき泥棒は?
東日本大震災から3カ月が過ぎましたが、いまだ避難者数は7万人を超えており、復興への道のりは険しい状況にあります。そんな中、災害のどさくさに紛れて、悪事を働く泥棒が増えているようです。
震災が発生した3月から5月までの3カ月で、岩手県・宮城県・福島県での侵入盗の発生状況を見ると、前年同期比で1.18倍の増加となっています。このうち住宅を狙う侵入盗だけを見ると1.35倍も増加しています。これを県別に見るとどうなるでしょうか。ひと月ごとに前年同月比を示したものが右の図になります。縦軸は倍率を示していますので、「1倍」というのは「増減なし」ということになります。
岩手県では、各月ともに前年とほぼ同じ程度の発生状況となっていますが、宮城県では、3月こそ前年を下回っていましたが、4月と5月は上昇して、5月には前年同月比でおよそ1.5倍まで増加しました。さらに福島県では、3月ですでに1.7倍、4月になると2.3倍まで増加しました。
泥棒は、人の目を嫌うと言われています。地域全体で住民が避難してしまったら、その地域の「目」は皆無になってしまいます。その好機を泥棒は狙っていたのかもしれません。特に、福島第一原発から半径20km圏内の警戒区域ではその影響が大きかったようで、ATMを狙った犯罪が多く報告されています。住宅を狙った空き巣や商店などを狙った出店荒しも多かったようです。
今回の全戸避難という例では、周辺で人の目がまったくなくなってしまったわけですが、通常はそこまで極端なことにはなりません。しかしながら、時間帯や天候次第で、皆さんがお住まいの地域でも、周囲の目が極端に減るタイミングは出てきます。ご近所の方々と連携を密にして、少しでも人の目が感じられる地域づくりが大切になります。
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
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