ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 人の本性から泥棒の心理を読み解く
ゴールデンウィークで多くの方がお休みを取られていると思いますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。楽しいひと時の間にも、安全を脅かす多くのことが発生します。どうか、
この期間も、安全には十分気をつけてお過ごしください。
今回は「人の本性」と題して、泥棒の心の中を読み解いて見たいと思います。
・人の振る舞いの基本
社会科学系の学問分野で、人の振る舞いを考える基本的な理論の中に「合理的選択理論」と呼ばれるものがあります。「人は自分にもたらされる利益を最大化するように意志を決定し、行動する」というのが、この理論の考え方です。
本コラムでは、折に触れて、犯罪学の理論を紹介し、泥棒がどのような振る舞いをするかについて考えています。犯罪学も、犯罪者(人)の振る舞いに関係する学問であるため、この合理的選択理論をベースとしています。
・魔がさすとは
人は、置かれた社会的環境や、物理的状況、心理的な状態によって、理性的判断ができなくなることがあります。目先の利益に目がくらんだり、心の奥底に起こった欲求が抑えきれなくなったりします。この状態を、日本語では「魔がさす」と表現しています。
この状態がその人の立場によらず、誰にでも起こり得ることは、古今東西のニュースからも読み取れます。
人の本性を表す言葉としては、孟子(もうし:中国、戦国時代の思想家)や荀子(じゅんし:中国、戦国時代の思想家)が唱えた性善説や性悪説が有名です。これら性善説や性悪説に加え、「人の本性は弱いものである」という考え方があります。性善説、性悪説にならって「性弱説」とも呼ばれます。「魔がさす」という表現は、この性弱説の別の言い回しともいえます。
・弱い本性は泥棒になる?
さて、ここで、泥棒について考えてみます。泥棒の中には、始めは盗みをしようと思っていなかったのに、つい魔がさして、というタイプが存在します。人であるがゆえの弱い本性に負けて犯罪に走る泥棒です。このタイプの泥棒には、泥棒を行う誘惑の原因を取り去ることが有効です。
具体的には、窓から金目のものが見えるように置かない、戸締まりに気をつけて簡単に盗みができる無施錠状態を作らない、などがこの対策に当たります。
・やはり施錠は徹底しましょう!
泥棒対策の基本は、その行為に必要な手間や、時間、見つかるリスクなどの「費用」と、泥棒によって得られる金品、すなわち「効果」を考えることです。費用対効果の、費用の部分が大きくなるようにすることです。これは、日々ターゲットを探しているプロの泥棒だけでなく、つい魔がさしてというタイプの泥棒にも有効です。
住宅侵入盗被害の4割程度が無施錠によるものです。カギをきちんとかけて、簡単には泥棒できる状態を作らないことが泥棒対策の基本です。ゴールデンウィークも行楽などで外出するさいには、ぜひ施錠を徹底するようにしてください。
(参考)
・安心豆知識「泥棒に対するマーケティング」(2010/11/1)
・安心豆知識「名前を書くことによる防犯 (防犯理論を紹介しています)」(2009/10/19)
セコムIS研究所
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