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・「山高ければ谷深し」
市場の取引では「山高ければ谷深し」という格言があります。株などの相場の上げ幅が大きい時には、その後の下げ幅が大きくなり、リスクも大きくなるという意味だそうです。自然現象を表す言葉ではないのですが、今年の冬は、昨年夏の猛暑の逆を行く厳冬となり、まさにこの言葉を地で行っている感があります。遠く、東太平洋の赤道付近、南米ペルー沖の海水温が低くなる「ラニーニャ」と呼ばれる気象現象が、夏の猛暑と冬の厳寒の原因と言われています。
・雪による事故
先日、内閣府は、この冬の雪で、すでに45名の方が命を落としていると発表しました。これは5年前の「平成18年豪雪」を超えるペースです。雪おろしや除雪作業中に転落したり、屋根からの落雪に埋まって体温を奪われたりというケースが多く、シニアの方は特に注意が必要です。
このような事故を防ぐために、雪おろしや、除雪は、できれば複数人で声を掛け合って行ってください。加えて、命綱を用いて転落防止をする、ヘルメットを着用する、ホイッスルや防犯ブザーを携行して、万が一雪に埋もれた際に周りに助けを求められるようにするなど、雪おろしや除雪を行う際には、万全の対策を行ってください。
また、大雪の時には、屋根に積もった雪を意識して上方にも目をくばらせて、注意しながら道を歩くなど、普段とは違った用心が必要となります。特に、普段雪の降らない地方にお住まいの方は、このような習慣が身についていないため、旅行などの際には注意してください。
・雪は泥棒の味方?
さて、ここで、このような雪の季節における泥棒について考えてみます。うず高く積もった雪は、侵入の足場になります。雪おろしや除雪などを行う際には、雪が足場にならないように意識してください。また、積もった雪が人の視界をさえぎり、死角を作ることも良くありますので、この点についても注意が必要です。
また、通常の何もない状況では、人が屋根に乗っていたら「何か普通ではない」と感じることと思います。これが、屋根に雪おろしが必要なくらい雪が積もった状況では、人が屋根に乗っていても、誰もそれを不審とは思いません。加えて大雪の時には、足跡などを残しても、すぐにその上に雪が積もるため、証拠も残りにくくなります。泥棒にとっては有利な状況と言うことです。
大雪の時には、防犯を考える上においても、通常とは異なる注意が必要となることがお分かりいただけるかと思います。今回述べた、雪による「足場形成」「死角発生」「不審性の変化」に、十分に気をつけるようにしてください。
・雪は日本の文化
雪は、このように厄介者である反面、日本の冬の風物詩として、人々の生活にさまざまな彩りを添え、恵みをもたらしてくれるものでもあります。俳句の世界では、冬を表す代表的な季語であり、日本の冬の景色を描くためにはなくてはならないものです。また、ウィンタースポーツに、雪遊びや雪祭り、かまくらなど、雪国ならではの楽しみもあります。十分に用心し、備えを行った上で、雪のある日本の冬を楽しむ心を持つことも、厳冬の日々を過ごすうえでは欠かせないことだと思います。
(参考)
・今冬期の大雪等への対策に関する関係省庁連絡会議(内閣府・防災情報)
・安心豆知識「侵入の足場をなくすという視点」(2010/1/18)
・安心豆知識「泥棒が一番忌避するものとは」(2009/4/20)
・安心豆知識「不審者はなぜ不審なのか」(2010/12/20)
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