ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > パワーウインドウの事故の57.1%は小児
先日も報道がありましたが、自動車のパワーウインドウによるケガの事故がありました。後部座席に座っている子どもが窓から手を出しているのに気がつかずに、母親が窓を閉めてしまったために小指を切断するという事故が起こったのです。国民生活センターの調べによると、パワーウインドウに関する事故の57.1%が6才未満の小児だったそうです。
いまや、助手席や後部座席の窓を運転席から操作できることは当たり前になりました。機械仕掛けで、あの重い窓ガラスを上げ下げさせるだけのパワーというのは相当なものと考えられます。前出の国民生活センターの調べによると、数車種の自動車を検証したところ、パワーウインドウが閉まるときの強さは、16.6〜52.6kgfだったそうです。
また、およそ30kgfで動く窓を止められるかどうかという実験を男女20人に対して行ったところ、両手であれば90%の人が止めることができましたが、片手では55%だったそうです。女性に限ってみると、30%の人しか止めることはできなかったそうです。kgfという単位は、その数字のおもりを乗せたときの力と考えていただいて構いません。
つまり16.6kgfであれば、16.6kgの重りを持ったときの力がかかるということになります。想像してみてください。10kgのお米1袋であれば、片手で持てないこともありません。しかし、それが3袋あったらどうでしょうか。女性の場合は片手では難しいのではないでしょうか。まして子どもの力では不可能に近いといえるでしょう。
万が一を考え、子どもを自動車に乗せる場合は、パワーウインドウのロック機構を活用し、事故の可能性そのものを排除することがリスクマネジメントの観点からも重要といえます。筆者の車もいまだにそうですが、かつては自動車の窓を開けるには、それぞれのドアについているレバーをクルクル回転させていました。そのため、窓に挟まれるような事故は、ほとんど考えられませんでした。しかしながら、モーターによって簡単に窓を開閉できるようになり、非常に便利になりました。自動車にぶつかる事故などに目がいきがちですが、自動車の車内にも便利になった裏の危険が潜んでいることを再認識していただきたいと思います。
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
作動中のパワーウインドウの
静止の可否 (両手)
作動中のパワーウインドウの
静止の可否 (片手)
(国民生活センター調べ)
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