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盗られるものはない?泥棒を仕事として見た場合

 月曜コラムの安心豆知識の前回、前々回も話題に出しましたが、泥棒に対して「わが家には盗られるものがないから大丈夫」という感覚は、本当に大丈夫なのでしょうか?今回は泥棒を一つの仕事と見て考えてみます。

 厚生労働省が発表している2008年10月の日本の最低賃金の時間給は全国平均で703円。一日平均で8時間働くとすると日給5,600円ほどです。もし皆さんのご自宅を漁って、この金額以上の価値のあるものが出てくるとすると・・・。そうです、泥棒にとっては、下見などを含め丸一日かけてあなたの家を狙っても、最低賃金以上の収入が得られる仕事となり得るのです。

 泥棒だって経済合理性で動いています。少しでも手間をかけずに、多くの収入を得たいと考えるのは自然です。「わが家には盗られるものがないから大丈夫」と、われわれが抱きがちな根拠のないこの感覚は、油断を生み、泥棒に「手間がかからない、おいしい仕事場」を提供することにつながりかねないのです。

 月曜コラムの安心豆知識で3回にわたって「わが家には盗られるものがないから大丈夫」という感覚が危ないということを述べてきましたが、多くの泥棒被害者が、実際にこの考えに捕らわれて対策を怠っていたという事実を忘れてはいけません。くれぐれも油断せずに防犯対策をとっていただきたいと思います。

セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利 康文

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