ネットセキュリティ 2025年10月22日

第438回 ライブ配信トラブルと安全に楽しむポイント

「ライブ配信」の魅力とは

SNSや専用アプリなどを使って、視聴者とリアルタイムで交流する「ライブ配信」。
ハロウィンの仮装やイベントなどを生中継する人も増えています。

リアルタイムで反応がもらえる臨場感や、視聴者との一体感がライブ配信の魅力。
ほかにもこんな理由で人気を集めているようです。

・コメント機能を通じて、配信者と視聴者が双方向で交流できる
・動画を編集する必要がなく、すぐに配信できる手軽さ
・いわゆる「投げ銭」による収益化を目指せるプラットフォームが多い

リアルタイムでの交流や収益化のしやすさから、いまや「ライバー」と呼ばれる配信者人口は急増中。
しかし、ライブ配信には「編集ができない生配信ならでは」のリスクがあります。

映り込み・居場所バレ・・・ライブ配信に潜むリスク

ライブ配信は「リアルタイムである」ことが最大の特徴。
しかし、「リアルタイムである」ことがリスクを生む要因になり得ます。

【「気をつけたい」主なリスク】
・居場所や生活圏の特定
部屋の窓から見える風景や建物、看板などの映り込みで自宅が特定されることがあります。
「今日は近所のカフェにいる」といった発言から、生活圏が知られることも少なくありません。

・他人の映り込みや無断撮影
街中での配信では、通行人や店舗の様子が映ることがあります。
本人の了承なく顔や声が配信されれば、迷惑行為やプライバシー侵害に当たる可能性も。

・炎上や誤解によるトラブル
配信中の表情や言葉が誤解をまねき、SNSで炎上につながるケースは多々あります。
コメントへのリアクションひとつで、思わぬ批判が拡散されることも。

・ストーカー、粘着リスナー化
「投げ銭」に感謝を伝えたことがきっかけで、視聴者が「特別な関係」と誤解するケースがあります。
好意や嫉妬がエスカレートし、嫌がらせやストーカー被害に発展した事例も報告されています。

「配信をはじめたばかりの人」や「イベントを楽しむような感覚で気軽に配信を行う人」は、特に被害にあいやすいため注意が必要です。
ハロウィンのような不特定多数の人が集まるイベントでは、映り込みやトラブルのリスクが一気に高まります。

楽しく配信するために守りたいこと

ライブ配信は、正しく使えば人とのつながりを楽しむためのツールになります。
しかし、リアルタイムだからこそ、配信前に「リスク意識」を持つことが大切です。

【安全にライブ配信を楽しむためのポイント】
・個人情報を映さない、話さない
住所や学校名、よく行く店舗、近所の風景などが映らないように注意。
部屋の背景や持ち物、瞳に映り込む像などにも気を配りましょう。

・他人を無断で撮影しない
街中の配信では、通行人や車のナンバー、店舗の看板などにも配慮しましょう。
他人の顔や声、店内や商品が入るときは、事前に許可を得ることが大切です。

・発言に気をつける
差別的・政治的・過激な発言は炎上の火種に。
感情的にならず、冷静な対応を心がけましょう。

・視聴者との距離を保つ
「会おう」と誘われても、原則として会わないこと。
不適切なコメントが続く場合は、ブロックや通報をためらわず、身の危険を感じたときは、すぐに警察などに相談しましょう。

* * * * * * * * *

誰でも配信を楽しめる時代です。
だからこそ、思いがけないトラブルから自分を守る意識が欠かせません。

楽しいハロウィンの夜を、安全に、そして安心して過ごすためにも、ライブ配信のリスクを理解し慎重な発信を心がけましょう。

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