IS研究所は東京大学グリーンICTプロジェクト(以下GUTP※1)に参加し、スマートビルを効率的に実現するためのデジタルツイン構築・活用手法やシステムアーキテクチャの検討等の共同研究を行っています。
デジタルツインとは、さまざまな方法で集めた情報を使って現実世界をコンピュータ上に再現したもののことです。デジタルツイン上でデータ分析やシミュレーションを行ない、現実世界を制御することで、システム制御の効率化やサービス品質の向上などに活かすことができます。
IS研究所はデジタルツイン構築・活用方法の標準化を目指して、GUTPに参加しています。デジタルツイン構築や様々なデータの連携には、数多くのデータ構築者・データ提供者が関わるため、セコム一社ではなくさまざまなステークホルダーが標準的な技術を採用することが重要だからです。
このたび、GUTPのメンバーとして、デジタルツイン技術やデータ連携技術を実際の施設に活用する実証実験に参画し、同技術の有効性を実証しました※2。この実験の中でIS研究所は、独自技術である「IFCモデルサーバ」の検証を行い、デジタルツイン構築プロセスの実証に貢献しました。「IFCモデルサーバ」はBIM(Building Information Modeling)※3 データが持つメタデータを使い、IoTデータなどの情報をデジタルツインと連携させるための基盤技術※4です。
セコムは「あんしんプラットフォーム」を通して、一人ひとりの不安やお困りごとに対して、きめ細かく切れ目のない安心を提供することを目指しています。この構想を実現するには、屋内外でお客様の状況を知る必要があるため、セコムだけでなく様々な提供者からのデータや情報を連携させる仕組みが重要になります。そのためのキーテクノロジーが、デジタルツイン技術やそれを支えるデータ連携技術です。今回の実証実験で、これらの技術の有効性を示すことができました。今後も、さらに研究を進め、デジタルツイン技術やデータ連携技術が標準的に使われる社会の実現を目指します。
※1 東京大学グリーンICTプロジェクト(GUTP)は、スマートビル実現を目的として、東京大学をはじめとした建物空間や街づくりに関わる企業や団体で構成するオープンなプロジェクトです。
※2 (参考)GUTPの2021年12月8日付プレスリリース: 「GUTPとNTT Com、「デジタルツイン」技術によりリアル空間のロボットなどをデジタル空間からリアルタイム制御するアプリケーションを開発」(外部サイト)
※3 BIM(Building Information Modeling)とは、建物の3次元設計データを活用し、建物のライフサイクル全体を効率よく、効果的にするためのデジタルデータ活用手法です。