所長メッセージ

目﨑祐史所長
IS研究所長 目﨑祐史

セコムは、社会システム産業の実現を目指して、さまざまなサービスを提供しています。社会は常に変化するため、サービスは常に革新的でなければなりません。IS研究所の使命は、革新的なサービスを生む原動力であることです。

よりよいサービスを構想するためには、社会や人間を理解した上でサービスそのものを研究することが重要です。IS研究所では「ソーシャルアフェアーズ」「サービスエンジニアリング」の2つのディビジョン(部門)がその役割を担っています。

また、セコムは1966年に日本初のオンラインセキュリティーシステムを開発した頃から、人の力を最大限に発揮させるための技術を創りあげてきました。IS研究所では、「ビジョンインテリジェンス」「センシングテクノロジー」「コミュニケーションプラットフォーム」の3つのディビジョンが、画像認識・人工知能・センシング・サイバー空間でのトラストなどの技術を研究しています。さらに「コンセプトモデリングディビジョン」は、多種多様な環境に対応できるサービスの実現や、最新の研究成果を集約したサービスのプロトタイプの構築方法を理論的に研究しています。

IS研究所は、より良いサービスを創るという理念を共有した異なる専門分野の研究員が議論できる環境です。研究員は広い視野で各自の研究を高め、革新的なサービスを創り、社会をより「安全・安心・快適・便利」にできるよう尽力してまいります。

ソーシャルアフェアーズディビジョン

ソーシャルアフェアーズディビジョン

所属グループ

  • リスクマネジメントグループ
  • 環境エネルギーグループ
  • ヘルスケアグループ

社会に安全・安心を提供するサービスを作るためには、社会をよく知り、社会の姿を具体的にイメージすることが重要です。ソーシャルアフェアーズディビジョンは、社会そのものを研究対象にして、リスクマネジメントや環境エネルギー、ヘルスケアの課題に取り組んでいます。これらの課題解決のために、データの収集や解析だけでなく、哲学的考察や理論構築、仕組みの検討なども行っています。

 リスクマネジメントグループ

セキュリティにおいてリスクマネジメントを行うためには、「リスク」や「安心」とは何か、そしてその背景として社会がどうなっているかを理解することが欠かせません。当グループは、さまざまな情報の分析や考察によって、リスクや安心を評価・改善するために何をすべきかを研究しています。また学会や委員会などの活動を通じて、蓄積された知識を社会に還元する活動も行っています。

 環境エネルギーグループ

当グループは、環境問題、エネルギー問題、災害など自然環境に起因するさまざまなリスクや不安に着眼し、それらの低減・緩和を可能とする社会システムの創出を目指しています。近年は、自然災害が頻発している状況を踏まえて、レジリエンスを高める研究に力を入れています。

 ヘルスケアグループ

当グループでは、高齢社会における医療や介護予防、健康増進の研究を行っています。高齢者が安心して暮らすためには、病院などの医療介護サービスだけでなく、自宅での生活も重要です。そこで、生活のリズムに合わせた服薬誘導など、利用者の生活スタイルに応じた健康サービスのための技術研究を進めています。

サービスエンジニアリングディビジョン

サービスエンジニアリングディビジョン

所属グループ

  • オペレーション解析グループ
  • 最適計画グループ
  • シミュレーションテクノロジーグループ
  • 空間エンジニアリンググループ

サービスエンジニアリングディビジョンでは、よりよいサービスを作るためにサービス全体のデザインやプロセスを工学的に扱う研究をしています。ここではサービスに関わる人や社会など非定量的な対象を定量化することが重要です。さらにサービスのプロセスとして「①ヒトやモノの状態を把握」「②何が起きるか予測」「③把握した状態や予測に基づいて的確に働きかける」というものを考え、これを実現するサービスデザインや最適な計画の策定する方法にも取り組んでいます。

 オペレーション解析グループ

サービスの提供には、人の理解とサービスを届けるオペレーションの理解・創造が必要です。当グループでは、AIなどの先端技術も活用しながら、人や人を取り巻く環境の把握・解析を通じてサービスを効果的・効率的に提供するためのよりよいオペレーションの仕組みを研究しています。

 最適計画グループ

お客様に質の高いサービスを提供するためには、最適なサービスの計画と、継続的なアップデートが重要です。当グループでは、サービス全体のモノ、コトを情報化し、サービス設計の定量評価を行うことで、サービスの品質や付加価値を増大する計画立案方法の実現を目指しています。

 シミュレーションテクノロジーグループ

当グループでは、人やサービスプロセスのような物理的には定式化できない対象をシミュレーションする技術を研究しています。現在は、人の集まる空間の安全性や快適性だけでなく、運用計画の評価を行うことを目指し、エージェントモデルの研究に取り組んでいます。また、サービスオペレーションのシミュレーションを行い、スタッフのポスト数や稼働時間、サービス提供品質などを事前に評価する方法も研究しています。

 空間エンジニアリンググループ

当グループでは、BIMやGISなどの空間情報を活用し、安全、安心、快適な空間の実現を目指しています。そのため、安全性や快適性の評価指標の検討や、安全性や快適性を確保するための運用計画立案手法の研究に取り組んでいます。

センシングテクノロジーディビジョン

センシングテクノロジーディビジョン

所属グループ

  • EM-Waveインフォマティクスグループ
  • サウンドインフォ・プロセシンググループ
  • マルチセンサ・パーセプショングループ

センシングテクノロジーディビジョンは、光や音、熱や電波などのさまざまな媒体を用いたセンシングの研究を行っています。ヒトやモノの状態を把握することは、サービスを提供する上で必要な技術です。そのため、センシングデータの高度なイメージングやパターン認識のほか、複数の種類のセンサーを統合したマルチセンシングなどの研究を行っています。また実際のサービスで、センサーが低消費かつ高速に動作するように、センシングアルゴリズムを組込みシステムへ効率的に実装する研究も行っています。

 EM-Waveインフォマティクスグループ

当グループは、電磁波のセンサーを利用し、そこで何が起きているかを認識する技術を研究しています。電磁波は、物体の透過や天候の影響を受けにくいなど、周波数に応じた特性があります。その特性を利用し、プライバシーを保護した上で監視やヘルスケア、見守りなどが実現できると期待されています。

 サウンドインフォ・プロセシンググループ

当グループは、音を利用して状況を認識する技術を研究しています。例えば、人間のように音の方向や種類を認識する技術や、超音波で物体の詳細な動きを把握する技術などが挙げられます。これらは、カメラに依存しない監視や見守りなどへの活用が期待されています。

 マルチセンサ・パーセプショングループ

センサーには、観測モダリティ(光や電波、音など)や観測方式(パッシブ型やアクティブ型)などさまざまな性質・方式のものがあり、それぞれ一長一短があります。当グループでは、性質の異なる複数センサーの相補性に着目し、それらの効果的な融合方法を生み出すことで、単一センサーの限界を超える高度なセンシング技術の研究を行っています。

ビジョンインテリジェンスディビジョン

ビジョンインテリジェンスディビジョン

所属グループ

  • ダイナミック・モデリンググループ
  • ターゲット・ディテクショングループ
  • アクション・レコグニショングループ
  • アトリビュート・アナリシスグループ
  • プラグマティック・アルゴリズムグループ

人間は視覚機能を最大限に活用し、画像から多くの情報を読み取ります。ビジョンインテリジェンスディビジョンの目標は画像による高度な実世界センシングの実現です。近年、計算環境は大幅に進歩しましたが、物量だけでは解決し得ない本質的問題が残されています。いわば決定的原理が不在の中で、社会要求に足る技術をどのように創造していくか、またその方法論はどうあるべきか、その過程で原理の破片を見出せないか。これらは企業研究者にとって取組み甲斐のある仕事です。そのため脳生理や認知といった異分野の知見も取り入れて研究を行っています。

 ダイナミック・モデリンググループ

日々刻々と変化し続ける実世界に対して、光源や反射率といった物理特性から物体の位置・形状に至るまでをリアルタイムに把握しておくことは、さまざまな画像アルゴリズムの基盤として有用です。当グループでは、光学、カメラ幾何や機械学習など幅広い技術を融合させて、リアルタイムでの環境把握の実現に取り組んでいます。

 ターゲット・ディテクショングループ

画像の中から対象物を見つける技術は、画像システムにおいて重要な要素です。当グループは、多種多様な環境においてロバストに対象物を検知できる技術を研究しています。また、機械学習を使う上で課題となる基盤技術の研究にも取り組んでいます。

 アクション・レコグニショングループ

人物が「どこで」「何をしているか」を認識することで、犯罪の未然防止や事故へ迅速に対応ができます。当グループは、人物の追跡や姿勢推定、行動解析により「どこで」「何をしているか」を認識するため、深層学習を利用した時系列の動作解析などの研究に取り組んでいます。

 アトリビュート・アナリシスグループ

防犯カメラに映る人には、「年齢・性別・服装」「何を持っているか」「その人が誰か」「誰と一緒にいるか」などの属性情報が含まれています。属性情報を知ることは、事件や事故の発生を未然に防ぐなど、安全・安心を実現するために役立ちます。当グループでは、深層ニューラルネットワークや強化学習などの機械学習手法を利用した人物認証技術や属性解析技術の研究に取り組んでいます。

 プラグマティック・アルゴリズムグループ

画像解析技術が日々進化する一方で、サービス化で求められる、あらゆる環境での高い性能を実現することは簡単ではありません。こうした背景から当グループでは、多様な実環境で適切に動作する画像認識技術について研究しています。許容されるリソースに応じて、柔軟に最適化が可能な深層学習モデルの共通化や軽量化、現場環境へ迅速に適応可能な認識フレームワークの研究に取り組んでいます。

コンセプトモデリングディビジョン

コンセプトモデリングディビジョン

所属グループ

  • フュージョン・アーキテクチャグループ
  • システム・エンジニアリンググループ

コンセプトと価値を実際に体感できるプロトタイピングは、サービスを作るための重要なプロセスです。コンセプトモデリングディビジョンは、プロトタイプの構築技術を理論、実践両面から追求することがミッションです。あらゆる環境でプロトタイプを安定動作させるためには、通信速度などの確率的な遅延を考慮する必要があります。しかし、これはアルゴリズムの原理検討の時点では考慮されていません。また、プロトタイプ構築中にアルゴリズムなどが更新されると、仕様をはじめから作り直す可能性もあります。そのため仕様変更が起きることを前提としたプロトタイプの設計方法が有用になります。

 フュージョン・アーキテクチャグループ

新たな技術を現実の世界で実践して実証することは、技術の進展のための重要なプロセスです。そのために必要となる完成度の高いプロトタイプを適時に構築する方法は、そのプロセスで重要な役割を果たします。当グループでは、技術の進展に対応できる拡張性を持ち、安定して動作するプロトタイプの構築に必要となるアーキテクチャや構築プロセスの研究に取り組んでいます。

 システム・エンジニアリンググループ

仕様変更が起きることを前提とした、高度な技術を集約したプロトタイプを効率的、効果的に構築、運用するためには、高度なシステム化技術が求められます。当グループでは、プロトタイプの構築およびさまざまな環境での運用を通して、高度なシステム化技術を実用的方法論へ昇華させる実証的な研究に取り組んでいます。

コミュニケーションプラットフォームディビジョン

コミュニケーションプラットフォームディビジョン

所属グループ

  • 暗号・認証基盤グループ
  • サイバーセキュリティグループ
  • コミュニケーションネットワークグループ
  • スマートコンピューティンググループ

セコムの「あんしんプラットフォーム」ビジョンでは、多種多様なデータを活用したサービスの提供を目指しています。そのサービスにおいて情報通信プラットフォームは重要な役割を担います。コミュニケーションプラットフォームディビジョンでは、「あんしんプラットフォーム」を支えるため、現実世界(フィジカル空間)とサイバー空間を統合した情報通信プラットフォーム「SECOM Physycal Cyber Platform」の実現に取り組んでいます。そのため、無線通信、暗号、認証、サイバーセキュリティー、プライバシー保護などの情報通信技術の研究を行っています。

 暗号・認証基盤グループ

システムやサービスの信頼性を担保するためには、通信の秘匿性やデータの真正性を担保するセキュリティが必要不可欠です。そして、そのようなセキュリティの根幹技術として暗号化や署名・認証などの技術が重要な役割を果たします。当グループは、暗号化技術や署名・認証技術をベースとした社会基盤の研究を行うグループです。

 サイバーセキュリティグループ

インターネットや情報端末は、あらゆる場面で活用されています。そして、サイバー空間には多種多様なリスクがあり、新しいサイバー攻撃などの脅威が常に生まれています。当グループは、サイバー空間を安全安心なプラットフォームにするため、先進的なサイバーセキュリティの研究に取り組んでいます。

 コミュニケーションネットワークグループ

ネットワークは、セコムをはじめ様々なサービスで活用されています。5Gなどの新しい通信規格標準の進化は、様々な社会問題の解決や効率化を実現できる可能性を秘めています。当グループでは、次世代のネットワークによって可能となるサービスを支えるネットワークとアーキテクチャに関する研究を行っています。

 スマートコンピューティンググループ

IoT 機器などから得られる様々なデータを解析すると、ユーザーの行動や生活スタイルを推定し、個人ごとにカスタマイズされたサービスが実現できると期待されています。しかし、そのためにはプライバシーの配慮が不可欠です。当グループは、パーソナルデータの分析および利用と、プライバシーの配慮を両立させる技術の研究をしています。またそれらのシステムが正常に動作していることを保証する技術の研究にも取り組んでいます。