所長メッセージ

目﨑祐史所長
IS研究所長 目﨑祐史

セコムは、社会システム産業の実現を目指して、さまざまなサービスを提供しています。社会は常に変化するため、セコムのサービスに完成はなく、常に革新的でなければなりません。IS研究所の使命はその原動力であることです。

生活空間に潜む不安や課題を先取りしてよりよいサービスを構想するためには、社会や人間を深く理解した上でサービスそのものを研究することが重要です。IS研究所では「ソーシャルアフェアーズ」「サービスエンジニアリング」の2つのディビジョンがその役割を担っています。

また、セコムは創業4年後の1966年に日本初のオンラインセキュリティーシステムを開発しました。これは、センサーや通信などの技術を利用して人の力を最大限に発揮させる仕組みです。よりよいサービスを生み出すためには、高度な技術の開発と蓄積を続けていかなければなりません。
IS研究所では、「ビジョンインテリジェンス」「センシングテクノロジー」「コミュニケーションプラットフォーム」の3つのディビジョンが、画像認識・人工知能・センシング・サイバー空間でのトラスト、新たなサービスの人による運用などの技術を常に進化させています。

さらに「コンセプトモデリングディビジョン」は、多種多様な環境に対応できるサービスの実現や、最新の研究成果を集約したサービスのプロトタイプの構築を理論的に追求する研究も行っています。

IS研究所は、より良いサービスを創るという理念を共有した異なる専門分野の研究員が議論できる環境です。研究員は広い視野で各自の研究を高められるようになり、セコムの革新的なサービスに繋げることができます。これからもISLは、さまざまな社会課題を解決して社会をより「安全・安心・快適・便利」にできるよう尽力してまいります。

ソーシャルアフェアーズディビジョン

ソーシャルアフェアーズディビジョン

所属グループ

  • リスクマネジメントグループ
  • 環境エネルギーグループ
  • ヘルスケアグループ

社会に安全・安心を提供するサービスを作るためには、社会をよく知り、社会の姿を具体的にイメージすることが重要です。それは「どのような社会にしたいか」「人々にどのような生活をしてもらいたいか」という想いを大事にすることでもあります。

ソーシャルアフェアーズディビジョンは、社会そのものを研究対象にして、リスクマネジメントや環境エネルギー、ヘルスケアの課題に取り組んでいます。
これらの社会課題の解決は、データの収集や解析だけでなく、哲学的考察や理論構築、仕組みの検討も行わなければなりません。とても複雑な課題ですが、それがソーシャルアフェアーズディビジョンの役割なのです。

サービスエンジニアリングディビジョン

サービスエンジニアリングディビジョン

所属グループ

  • オペレーション解析グループ
  • 最適計画グループ
  • シミュレーションテクノロジーグループ
  • 空間エンジニアリンググループ

人や社会に安心を提供するためには「ヒトやモノの状態を把握」し、「これから何が起きそうか予測」し、「把握した状態や予測した状況に基づいて的確に働きかける」というプロセスを行います。
このプロセスを最も効果的に実現するために、サービスをデザインし最適な計画を策定しなければなりません。そしてこのサービスプロセスとサービスデザインを工学的に扱うことが、サービスエンジニアリングディビジョンの使命です。

サービスプロセスやサービスデザインを工学的に扱うには、サービスに関わる様々な対象やプロセス、つまり人や社会といった非定量的な対象を何らかの形で定量化することも重要な課題です。
ときには「人間とは何か」「社会とは何か」という根本にまでさかのぼって研究を行うこともあり、非常に難しい課題です。しかし、だからこそチャレンジし甲斐のある仕事ともいえます。

センシングテクノロジーディビジョン

センシングテクノロジーディビジョン

所属グループ

  • コンピュテーショナル・イメージンググループ
  • EM-Waveインフォマティクスグループ
  • サウンドインフォ・プロセシンググループ
  • マルチセンサ・パーセプショングループ

センシングは、サービスを提供する空間内のヒトやモノの様々な状態や状況を把握するために必要な技術です。センシングテクノロジーディビジョンは、光や音、熱や電波などの様々な媒体を用いたセンシングの研究を行っています。さらにセンシングデータの高度なイメージングやパターン認識のほか、様々な種類のセンサーを統合したマルチセンシングやロボット、ドローンも、複雑な状況を把握するための重要な研究テーマです。

また実際のサービスで利用されるセンサーでは、センシングアルゴリズムが低消費かつ高速に動作する必要があります。そのためセンシングアルゴリズムを組込みシステムへ効率的に実装する方法の研究も重要です。

ビジョンインテリジェンスディビジョン

ビジョンインテリジェンスディビジョン

所属グループ

  • ビジョン・プロセッシンググループ
  • ターゲット・ディテクショングループ
  • アクション・レコグニショングループ
  • アトリビュート・アナリシスグループ

画像は非常に多くの情報を含む信号です。人間は画像を見ればほとんどを理解します。人間を含むあらゆる高等生物が視覚機能を最大限に活用しているのです。

ビジョンインテリジェンスディビジョンの目標は画像によるハイレベルな実世界センシングの実現です。
近年、計算環境に大幅な進歩が見られますが、物量だけでは解決し得ない本質的問題が画像には残されています。
いわば決定的原理が不在の中で、社会要求に足る技術をどのように創造していくか、またその方法論はどうあるべきか、その過程で原理の破片を見出せないか。
これらは企業研究者にとって非常に取組み甲斐のある仕事であり、脳生理や認知といった異分野の知見も取り入れながら研究を行っています。

コミュニケーションプラットフォームディビジョン

コミュニケーションプラットフォームディビジョン

所属グループ

  • 暗号・認証基盤グループ
  • サイバーセキュリティグループ
  • コミュニケーションネットワークグループ
  • スマートコンピューティンググループ

セコムのサービスでは約6000万個のセンサーを利用しており、情報通信プラットフォームは、これらのセンサーから得た情報を有効活用するための重要な役割を果たしています。
セコムの掲げる2030年ビジョン「あんしんプラットフォーム」では、さらに多種多様なデータを収集し、そのビッグデータをAI技術で解析して様々なサービスに活用しようとしています。

コミュニケーションプラットフォームディビジョンのミッションは、これらのサービスを技術的に支える情報通信プラットフォーム「SECOM Physycal Cyber Platform」の実現です。
これは、現実世界(フィジカル空間)とサイバー空間を統合して安全安心を提供できるプラットフォームとして期待されています。
このプラットフォームの構築を目指して様々な情報通信技術(無線通信、暗号、認証、サイバーセキュリティー、プライバシー保護)を研究中です。またそれらの技術の標準化活動など社会貢献にも取り組んでいます。

コンセプトモデリングディビジョン

コンセプトモデリングディビジョン

所属グループ

  • フュージョン・アーキテクチャグループ
  • プラグマティック・アルゴリズムグループ

新たなサービスの実現には、そのコンセプトや価値を発信して共感を得ることが重要です。そのための有効な方法のひとつとして、コンセプトと価値を実際に体感できるプロトタイプが挙げられます。そしてその構築技術を理論的に追求することがコンセプトモデリングディビジョンのミッションです。

プロトタイプの構築には、さまざまな技術課題があります。あらゆる環境でプロトタイプを安定動作させるためには、通信速度などの確率的な遅延を考慮することが必要です。しかし、これはアルゴリズムの原理検討の時点では考慮されていません。また、プロトタイプ構築中にアルゴリズムなどが更新されると、仕様をはじめから作り直す可能性もあります。そのため仕様変更が起きることを前提としたプロトタイプの設計方法が有用になります。

コンセプトモデリングディビジョンは、IS研究所の最先端技術を革新的なサービスへと繋げるために必要不可欠な役割を担っています。このディビジョンで培った構築技術は、セコムだけでなく社会にも利益をもたらします。