▼ モバイルバッテリーを落とした！そのまま使っても大丈夫？
スマホやタブレットとセットで必需品ともいえる「モバイルバッテリー」。
持ち運びの多いこのアイテムは、「手をすべらせて落としてしまった」「うっかり踏んでしまった」「ポケットに入れたまま座ってしまった」など、衝撃を受けやすいものです。

衝撃や圧力がモバイルバッテリー内部のリチウムイオン電池にダメージを与えることがあります。
リチウムイオン電池は軽量・高性能な反面、構造が繊細で、強い衝撃や変形に弱いものです。
内部の電極がショートしたり、電解液が漏れたりすると、見た目に異常がなくても、以下のような重大な事故を引き起こすことがあります。

・異常発熱や発煙、発火
・本体の膨張や破裂
・近くにある可燃物への延焼

落とした直後は問題なく使えていたとしても、数時間から数日後に異常が現れるケースも少なくありません。
「少しキズがついただけ」「充電できるから大丈夫」と見過ごさず、モバイルバッテリーを落としてしまったら状態の変化に注意してください。

▼ これって壊れてる？落下後にチェックしたい「危険のサイン」
モバイルバッテリーが破損すると、目に見える異変や使用中のトラブルとして現れることがあります。以下のような症状がある場合は、注意してください。

・ケースが割れている
外装にヒビや割れ目がある場合、内部にまでダメージが及んでいる可能性があります。

・充電できない、放電できない
ケーブルを接続してもインジケーターが点灯しない、スマホが充電されないなどの症状。

・異臭や異音がする
電池内部は液体を含んでいるため、振るとチャプチャプと音がすることもあります。
薬品のようなにおいがする場合は特に危険です。

・本体がふくらんでいる、曲がっている
ガスが発生してふくらんでいる状態です。
自然に戻ることはないので破裂のリスクがあります。

・本体が熱くなっている
充電していないのに熱を持っているときは、内部で異常反応が起きている可能性があります。

モバイルバッテリー本体が激しく破損しているときは、充電や放電を試さず、すぐに使用を中止してください。無理に使うと、発火や爆発につながることもあります。


▼ もしものときの対処法と安全な買い替えポイント
モバイルバッテリーに強い衝撃や圧力がかかったときは、自己判断で使い続けるのは危険。
安全を最優先して、正しい対処を心がけましょう。

・まずはメーカーに相談を
外見に異常がなくても内部が損傷している場合があります。
不安がある場合は購入先やメーカーに問い合わせ、安全確認をしてください。

・古い製品は早めに買い替えを
電池の劣化や外装が弱くなると事故リスクを高めます。
長年使っている場合は、買い替えも検討してみてください。

・新しく買うときは「PSEマーク」をチェック
安全基準をクリアした証であり、落下試験や放電回数の確認がされている製品です。

・処分は自治体ルールに従って正しく
モバイルバッテリーは自治体や家電量販店などで回収している場合があります。
不燃ごみには出さず、正しく処分してください。
処分方法を間違えると、処分場などで火災の原因になる危険があります。



モバイルバッテリーの使い方を誤れば事故につながります。
ちょっとした落下や圧力でも内部にダメージを受けることがあるからこそ、異変に気づいたら「念のために確認する」ことが大切です。
もしも煙が出たり火が出たりした場合は、大量の水や消火器で対応しましょう。

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＜監修＞
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクインテリジェンスグループ
シニアリスクコンサルタント／防犯設備士／防災士／日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

△モバイルバッテリーを落したら？見逃せない異変と事故を防ぐ正しい対処法 TOPへ

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