AIを悪用した犯罪「増加すると思う」が9割超。「ディープフェイク」の防犯対策

▼「ディープフェイク」という言葉を知らない人は6割以上
AI技術により、画像や動画などを作成・加工することが容易になってきました。音声や画像を生成する「ディープフェイク」が登場し、詐欺やなりすましなどの犯罪に悪用されるケースが懸念されます。
セコムが実施した「日本人の不安に関する意識調査」(2026年7月発表)では、AIを悪用した犯罪について今後「増えると思う」と回答した人が91.8%に上りました。
一方で、「ディープフェイク」という言葉を知らない人は61.4%と、認知度は4割未満にとどまっています。
多くの人がAIを悪用した犯罪に危機感を抱きながらも、 その具体的な手口については十分に知らないということが見てとれます。
気づかぬうちに犯罪に巻き込まれないためにも、 まずはディープフェイクについて知っておくことが大切です。

▼ディープフェイクがもたらす新たな犯罪リスク
ディープフェイクとは、AIを使って人物の顔や声、映像を合成・加工し、本物そっくりの偽の画像や動画・音声を生成する技術のこと。
犯罪に悪用されると、例えば次のような被害につながるおそれがあります。
・家族や知人の声をまねた電話による特殊詐欺
・有名人になりすました投資詐欺
・SNSの写真を悪用したなりすまし
・顔写真を合成した性的ディープフェイク など
▼ディープフェイクの不安の実態
意識調査において、ディープフェイクを知っている人に不安を尋ねたところ、
・情報の真偽について見分けがつかなくなる(65.8%)
・偽の動画・音声による誤情報の拡散(62.2%)
・著名人や政治家の偽動画による社会混乱(49.7%)
が上位となりました。
また自分や家族の顔や声が悪用されることについては、約8割が不安に感じていることもわかりました。
AI技術の進歩によって「本物」と「偽物」の見極めが非常に難しくなっています。
▼ディープフェイク犯罪に巻き込まれないための対策
ディープフェイクによる被害を防ぐには、「悪用される素材を減らすこと」と「だまされない仕組みをつくること」の両方が重要です。
例えば、以下のようなことが対策として有効です。
・SNSの公開範囲を限定し、顔や声などの情報を必要以上に投稿しない
・AIの学習に利用されにくくする観点から、長時間の動画・音声の公開は避ける
・動画や音声だけを信じず、別の方法で本人確認をする
・急な送金依頼や金銭の相談はその場で応じず、一度冷静に事実確認をする
・家族で合言葉や連絡方法を決めておく
今回の調査では、ディープフェイクなどを悪用した詐欺への対策として家族でルールを決めていない人は84.2%に上りました。
AIを悪用した犯罪への危機感は高まる一方で、家庭での備えはまだ十分とは言えないようです。
「もし家族を名乗る連絡があったらどうするか」をあらかじめ話し合っておくことがディープフェイクの防犯対策として重要になるでしょう。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクインテリジェンスグループ 上級研究員
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事


侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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