なぜ「闇バイト」にだまされるのか

▼闇バイトの典型的な勧誘パターン
「闇バイト」とは、犯罪に抵触する行為で報酬を得るアルバイトのこと。
SNSやインターネット上で高額報酬をうたって募集され、「強盗」や詐欺などの犯罪行為に関与させられるケースが多く、応募者は犯罪グループの指示を受けて実行役として利用されることがあります。
闇バイトは「普通のアルバイト」に見せかけて募集されるケースがほとんど。
警察庁の調査では、闇バイトへの関与で逮捕された人の約47%がSNS上で応募していたとされており、DMや秘匿性の高いアプリに誘導されるのが典型的な勧誘の流れです。
また、知人からの誘い(約28%)をきっかけに応募するケースも見られます。
コミュニティサイトなどで知り合った相手から紹介され、興味を持ってしまうケースもあるようです。
次のようなアルバイトの募集文句は「闇バイト」の可能性があります。
特に注意が必要です。
・業務内容があいまい
・「高額報酬」を提示している
・面接なし、オンラインのみで完結
・連絡手段としてDMや秘匿性の高いアプリに誘導される
・面談前に、運転免許証やマイナンバーカードなど個人情報の提出を求められる
一つひとつを見ると、一般的なアルバイトでも見られる募集文句です。
しかし、複数の特徴が重なっている場合や、不自然に高額報酬をうたっている場合は警戒してください。
一見すると「おいしい話」に見えても、それは巧妙に仕組まれた犯罪行為の入口。
応募する前に、「闇バイトかもしれない」という警戒心を忘れないようにしましょう。
▼知らないうちに加担?闇バイトで使われる「役割」の正体
闇バイトでは、仕事内容がわかりにくい専門用語や、隠語で指示されることが多くあります。
たとえば、次のようなものです。
・掛け子:被害者に電話をかける役
・受け子:現金やカードを受け取る役
・出し子:不正に入手したカードで現金を引き出す役
・運び屋:荷物を運ぶ役
・道具屋:犯罪に必要な物を調達、提供する役
・タタキ:強盗などの実行役
たとえば、銀行口座やキャッシュカード、スマートフォンなどを「●万円で買い取らせてほしい」といった依頼。
これは「道具屋」の典型的な例です。売ってしまったら、犯罪収益移転防止法違反や携帯電話不正利用防止法違反になります。
応じてしまうと、自分名義の銀行口座や端末が特殊詐欺などに使われるおそれがあります。
そもそも自分名義の銀行口座やSIMカードなどを他人に譲渡・売買する行為が犯罪につながる可能性があります。
ほかにも「段ボールを運ぶだけ」の簡単なアルバイトと偽るケース。
違法な物品や現金などの「運び屋」にされてしまうことも考えられます。
詐欺罪の幇助(ほうじょ)犯に該当する可能性があり、中身が違法薬物だったとしたら、麻薬取締法違反になってしまうかもしれません。
「知らなかった」では済まされません。知らないうちに犯罪に加担してしまうおそれがあります。
▼闇バイトから身を守るために
闇バイトが危険なのは、一度関わると抜け出しにくい点です。
身分証や個人情報をもとに脅され、闇バイトだとわかってからも断れなくなるケースが多く見られます。
「逃げられない」と悩んでいるうちに、より重大な犯罪へと関与させられていくようです。
もし少しでも闇バイトに関わってしまったかもしれないという心当たりがあるなら、ひとりで抱え込まないでください。
家族や信頼できる人に相談する。
警察に相談し、保護を求める。
早めに行動することが重要です。
闇バイトは、いまや誰でも巻き込まれ得る可能性のある身近な犯罪になっています。売っただけ、運んだだけでは済まされない、重大な犯罪に加担してしまうことになります。
違和感に気づいた時点で立ち止まり相談することが大切です。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクインテリジェンスグループ 上級研究員
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事


侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。




