防犯 2026年04月17日

AIによる音声詐欺から身を守るために

▼わずか数秒の素材で「あなたの声」がつくられる
AIによる音声生成技術は、私たちの想像を絶するスピードで進歩しています。
短い時間の音声サンプルがあれば、本人そっくりのイントネーションや癖まで再現が可能です。
その技術を悪用した「AI音声詐欺」の被害が増加しつつあります。

「声が狙われている」という現実を知り、自分自身でリテラシーを高める意識をもつことが大切です。動画なども含め、音声を公開する際は、悪用されるリスクも意識しておきましょう。

▼音声AIで犯罪手口が巧妙化する
たとえば特殊詐欺で音声AIの悪用が進むとどうなるのでしょうか。
これまで詐欺グループは「かけ子」と呼ばれる架電担当の人員を雇っていたとされます。
特殊詐欺被害のきっかけとされてきた「架電」がAI音声に置き換われば今よりも規模や巧妙さが増すことが考えられます。

「会社のお金をなくした」「お金に困っている」などと電話をしてくるオレオレ詐欺をはじめ、悲鳴や助けを求める声を偽造した誘拐偽装や、緊急を装って指定口座へ入金させる業務指示、恋愛感情から不正に送金させるロマンス詐欺なども、よりリアルな作りこみが進むことで、被害が拡大していくことが考えられます。

また、今後は声だけでなく、顔の表情まで生成する技術と組み合わせたディープフェイクが広まることも予想されます。リアルタイムのビデオ通話ですら「本人が話している」と信じ込ませるほど精巧になりつつあります。


▼偽装された「声」にだまされないために
声や見た目だけで真偽を判断することは難しくなります。
そのため「話の内容」に違和感がないかを冷静に確認することが重要です。

たとえば、
・急いでいる
・判断を急かされる
・金銭のやり取りを持ち出してくる
・普段と違う方法で連絡してくる

などといった「違和感」がとても重要です。
少しでも違和感があればいったん立ち止まって確認しましょう。
直接本人に連絡を取るくらいの慎重さが必要です。

不安に思うことや、判断に迷うことがあれば、警察相談専用窓口(#9110)や消費者ホットライン(188:いやや)に迷わず相談しましょう。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクインテリジェンスグループ 上級研究員
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

「信頼される安心を、社会へ。」提供するために、ビジネスに必要な情報の収集と分析および検証(インテリジェンス)により、犯罪情勢を中心にして体系的知識として蓄積・活用できるようにする研究を行い、これらを利活用する諸活動を実施。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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