分電盤の点検を装う詐欺に注意

▼ 「分電盤の点検をしています」という電話に注意
点検商法と呼ばれる消費者トラブルがあとをたちません。
最近、「分電盤の無料点検をおこなっています」と電話をかけ、点検を装って訪問する点検商法が報告されています。
訪問すると「このままだと漏電火災につながる」などと不安をあおり、高額な分電盤の交換やブレーカーの設置工事をすすめる手口です。
国民生活センターによると、被害相談は2024年から急増しており、前年比の約25倍。
なかには数十万円を支払ってしまったケースも報告されています。
▼ 正規の電気点検とはどう違うのか
点検商法と正規の電気設備点検には、はっきりとした違いがあります。
●電気設備の定期点検は原則4年に1度
一般家庭を対象とした電気設備の定期点検(保安点検)は、通常4年に1回程度です。
電力会社やその委託業者が実施します。
●点検のお知らせは「書面」で届く
正規の点検であれば、事前に書面で通知が届きます。
電話のみで訪問日を指定することはありません。
●点検業者は経済産業省に登録された団体
点検を担当するのは、電力会社や経済産業省のホームページに掲載されている登録調査機関に限られます。
正規の点検で、突然訪問して高額な契約を迫るようなことはありません。
不審な点検の電話がかかってきたときは、まず落ち着いて、ご自身が契約している電力会社に確認しましょう。
▼ 「分電盤点検商法」を疑ったときの対処
点検商法のような詐欺手口は巧妙です。
「正規の点検との違いを知っておくこと」「その場で即決しないこと」が被害を防ぐポイント。
不審な点検の電話や訪問があったときは、以下のように対応しましょう。
●電話の場合
・電話を切り、電力会社に確認する
・会社名や担当者名をメモし、落ち着いて対応する
・必要があれば、消費者ホットライン「188」に相談する
●訪問の場合
・インターホン越しに対応し、決してドアを開けない
・「家族に相談します」と伝え、その場で契約しない
・相手が名乗っても、身分証だけで信用しない
被害がなくても、不審な点検の電話や訪問があった場合は、警察や消費生活センターに情報提供しておくと安心です。
家族や身近な人とも情報を共有して、しっかりと備えておきましょう。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクインテリジェンスグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事


侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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