マンションの防犯対策「住宅への侵入を許さないためにすべきこと」

▼ マンションの防犯リスク!侵入手口の実態
マンションでの侵入窃盗の実態は、戸建住宅と異なります。
警察庁の統計によると、戸建住宅の場合、侵入手口のトップ3は「窓・ガラス破り」「窓・無施錠」「玄関・無施錠」です。
一方で、マンションのような集合住宅で多いのは「玄関・無施錠」「窓・無施錠」「玄関・合鍵」。
なかでも玄関の無施錠は非常に多く見られるケースです。
「オートロック付きのマンションだから大丈夫」という油断や、「ちょっとゴミを出しに行くだけだから」というスキを侵入者は狙っています。
鍵のかかっていない部屋を狙って玄関から侵入するものです。
無施錠の玄関から侵入する手口がとても多いという事実をぜひ覚えておいてください。
また合鍵が悪用されるケースもあります。
マンションの集合ポストなどに「置き鍵」をするのはとてもリスクが高いです。
投入口からポスト内をのぞき込んで「置き鍵」を物色されるケースがあります。
集合住宅なら手っ取り早く複数の家のポスト内をのぞけるため侵入者にとっては効率的です。
無施錠の窓も侵入経路のひとつ。
マンション中高層階では、ベランダや窓の施錠を怠るケースが見られます。
屋上や外壁を利用して侵入する手口も報告されているので油断は禁物。
ベランダや窓の施錠は忘れずにしましょう。
▼ マンション暮らしの弱点とは?
マンション自体のセキュリティレベルが高くても、住人の防犯意識が低ければ侵入を許すことにつながります。
・オートロックの過信
オートロック機能は非常に便利ですが、そのために油断が生じる可能性は否定できません。
例えば「共連れ」。
マンションの住人がエントランスを解錠した際に、一緒に入り込む手口です。
また宅配業者を装ってエントランスを突破するケースもあります。
マンションの居住エリアがオートロックによって守られているように感じるかもしれませんが、侵入するつもりで臨まれるとエントランスを通過することはそれほど難しいことではありません。
オートロックのエントランスを通過し、敷地内に身をひそめてスキのある住宅を狙うということです。
・中高層住まいの油断
中高層階だから侵入されないという油断がリスクにつながりかねません。
非常階段や隣接する建物から侵入する手口や、屋上からロープを伝ってベランダに侵入する手口もあります。
人通りが少なければ、ベランダから大胆に侵入しても周囲に気づかれにくいこともあります。
中高層階に住んでいても、ベランダや窓の鍵をかけるようにしましょう。
・大規模改修工事中のリスク
マンションでは大規模修繕が定期的におこなわれます。
外壁改修のような修繕工事の実施期間は、防犯面で特に注意が必要です。
工事用の足場が組まれ、シートで覆われるため、人目につきにくくなり、侵入しやすい環境が整ってしまいます。
工事中は、特にベランダや窓の施錠を徹底することが重要です。
▼ マンション防犯の具体的な対策
マンションにおける防犯対策は、小さな習慣の積み重ねです。
具体的な防犯対策をまとめます。
・施錠の徹底
もっとも基本的で効果のある防犯対策は、施錠を確実におこなうことです。
外出時はもちろん、ゴミ出しやポストの確認時のような短い時間でも鍵をかける習慣をつけましょう。
ベランダや窓も、在宅時から施錠を基本とし、必要な時だけ鍵をあけるようにしたほうが安心です。
・慎重な鍵の管理
できれば家族全員が自分の鍵を持ち、置き鍵は絶対にしないようにしてください。
合鍵の取り扱いにも注意が必要です。
使用しない合鍵は適切に保管し、不必要に持ち歩かないようにしましょう。
万が一、合鍵を紛失した場合は、その鍵を悪用されることを考え、速やかに鍵を交換してください。
・共用部の環境維持
共用部の環境が荒れていると、不審者に狙われやすくなります。
例えば、エントランスや廊下の照明が切れている、ゴミが落ちているなど管理が行き届いていない状態は、防犯意識が低い住民が多いと見られかねません。
気がついたら管理組合や管理会社に報告しましょう。
・隣人とのあいさつ
住民同士が顔を知らないコミュニティでは、不審者が侵入しても気づかれにくいです。
よく顔を合わせる住人や両隣に住む人などとは、日常的にあいさつを交わしましょう。
住人同士がコミュニケーションをとることで連帯感も生まれ、異変にも気づきやすくなります。
・管理会社への相談
住んでいるマンションのセキュリティグレードが心配な場合は、管理会社や管理組合に相談しましょう。
例えば、古いタイプのシリンダー錠を使用している場合は、防犯性能の高いものへの交換を提案するなど。
周辺環境や治安によっては、防犯カメラの設置を検討したほうが良い場合もあります。
マンションでの生活を安全に保つためには、住民一人ひとりが防犯意識を持つことが大切です。
安心して暮らせる環境を維持するために、日常の行動を見直し、必要な対策を実践しましょう。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事


侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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