防犯 2024年06月21日

SNS型詐欺、SNS報酬トラブルの実態

▼ SNSをきっかけとした詐欺被害が急増
特殊詐欺の被害が増加の一途をたどっています。
特殊詐欺とは、電話やメール、SNSなどを使い、対面することなく面識のない相手から金銭をだまし取る犯罪。

特殊詐欺は、オレオレ詐欺に代表され知られていますが、最近顕著に増えているのが、「SNS型投資詐欺」と「SNS型ロマンス詐欺」です。

警察庁の統計によれば、2023年のSNS型投資詐欺の認知件数は2,271件、被害額は約227.9億円。SNS型ロマンス詐欺の認知件数は1,575件、被害額は約177.3億円にものぼります。

警察が注意喚起するなか、連日のように新たな被害が報じられている状況です。

【SNS型投資詐欺とは...】
SNSでのやり取りをきっかけに、投資に誘導する手口。
DMなどで不特定多数に接触し、「必ずもうかる方法がある」「無料の投資セミナーに招待する」などと言葉巧みに誘い出し、投資金や出金手数料などの名目で繰り返し出資をうながして、金銭をだまし取ります。
SNSでは芸能人や文化人など、著名人を悪用した偽の投資広告なども出回っており、被害は深刻です。

【SNS型ロマンス詐欺とは...】
SNSやマッチングアプリで外国人や海外居住者を名乗って接触し、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭をだまし取る手口。
「結婚するためにお金が必要」「2人の将来のために投資を」などと言葉巧みに、暗号資産の購入や架空の投資を勧めるものです。
繰り返し金銭を送金させることで被害額も高額になることがあります。

▼ SNSの「いいね!」で報酬?詐欺的な副業トラブルにも注意を!
副業ブームのなかで、「簡単な作業で報酬が得られる」として金銭をだまし取る手口も横行しています。
そのひとつが、指定されたSNSアカウントの投稿に「いいね!」や「フォロー」をするだけで報酬がもらえるというタスク型の副業でのトラブルです。

タスクをこなすと最初のうちは少額の報酬が実際に支払われるそうですが、いつのまにか支払う側になって高額な被害に発展してしまうのが怖いところ。

<典型的なタスク型副業トラブルの例>
・副業紹介サイトやSNS広告などで「スキマ時間に簡単にできる」「ラクに稼げる」などと勧誘
・登録してタスクをこなすと、キャッシュレス決済サービスなどを通じて少額の報酬が支払われる
・継続の条件として、タスク専用のアカウントやアプリの登録、専用口座の開設などを求められる
・高額タスクへの参加を指示され、報酬は開設した専用口座に振り込まれる
・タスクのミスなどを口実に高額な違約金を請求されたり、専用口座から出金しようとすると手数料や税金などの名目で入金をうながされたりするが、いくら支払っても現金化はできない


さまざまな理由をつけてお金を支払わせる詐欺的な手口。
「ここで引き返すことはできない」と思わせて、判断力を鈍らせることも特徴です。
報酬が増えているようでも、振込先として開設を求められる口座は暗号資産や仮想通貨を対象にしたものが多く、実際に存在するのかもわかりません。
安易なもうけ話には裏があると考えたほうが良いでしょう。


▼ 悪質な「もうけ話」にだまされないための対策
インターネットを介した投資や副業などは、適正に運用されているものもたくさんあります。
しかし、これだけ被害が拡大している現状を鑑みれば、「もしかしたら詐欺かもしれない」と警戒する意識も必要です。

【被害にあわないためのチェックポイント】
・投資先は国の登録事業者かどうか
無登録の金融商品取引業者や暗号資産交換業は違法です。
登録事業者かどうかを金融庁のウェブサイトで確認しましょう。

・なりすましではないか
著名人の名前を使った詐欺広告に注意しましょう。
申し込んだり、お金を振り込んだりする前に本人の公式アカウントを調べるなどして真偽を確認してください。

・その人物は実在するのか
実際に会ったことがない人からお金の話をされたら要注意。
チャットやDMで仲良くなったつもりでも、実在する人物かどうかの確信は得られません。
送金や投資を求められたときは、ロマンス詐欺の可能性も疑いましょう。

・「必ずもうかる」「損しない」は本当?
確実なもうけ話を、SNSで不特定多数に勧誘すること自体が不自然です。
鵜呑みにせず、冷静に判断しましょう。

・指定された暗号資産や仮想通貨は実在するのか
投資先として、あるいは副業報酬の入金先として指定されることがあります。
架空である可能性もありますので、名前をインターネット検索して確かめましょう。

・そのアプリはインストールして大丈夫?
投資アプリや副業のための専用アプリなどのダウンロードを指示されたら、怪しいアプリかもしれないと疑うことが大切。
不正アプリにはウイルスや不正プログラムが仕込まれていることもあり、デバイスの乗っ取りなどの被害も考えられます。

・追加入金は本当に必要?
詐欺的な手口では、セミナー参加やマニュアル購入、登録手数料や保証料など、さまざまな理由をつけて追加の入金を求めることがあります。
目先のことに惑わされないようにしましょう。

だまされないと思っていても、多くの被害が発生している事実があります。
誰もが被害者になる可能性を否定できません。ぜひ細心の注意を払いましょう。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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