不審者対策の基本
▼ 「不審者」とはいったいどんな人なのか
不審者とは、辞書どおりの意味で解釈すれば「疑わしいところがある人物」ということになります。
ただ、何をもって「疑わしい」と感じるのかは人それぞれ。
不審者をはっきり定義することは難しいと言えます。
実際のところ、良からぬことをたくらむ者は疑わしく思われないように服装にも気を配ります。
怪しまれないよう、その場にいても違和感がない服装であることが少なくありません。
つまり、外見で不審者を見分けることは困難です。
では、どのように「不審者」を見分けたら良いのでしょうか。
外見ではなく、行動やたたずまい、雰囲気に違和感があらわれることが少なくありません。
【不審者を見抜くポイント】
・行ったり来たりを繰り返し、ウロウロしている
・不自然な場所で立ち止まっている
・同じ場所にずっといる
・目線に違和感がある(特定の場所を見上げたり、のぞき込んだりしている)
・周りの様子をうかがっている
セキュリティの観点から言えば、「正当な目的を持たず管理区画に侵入する者」は安全を脅かす可能性がある存在と判断します。つまり「不審者」です。
不審者を管理区画に入れないことこそが、セキュリティの基本。
なぜそこにいるのか、何をしているのか、目的がわからない。
そのような人物を自宅敷地やその周辺で認めたら、不審者と判断して何かしらの対処をすべきです。
▼ 「不審者」に対する対処
不審者は、疑わしいところがあるとはいえ、まだ犯行にいたっていません。
相手をとがめたり、通報したりすることをためらう人は多いでしょう。
不審者には声かけが有効です。
目的がわからない人物に対して「何かご用ですか」「何をしているんですか」など毅然とした態度で声をかけましょう。
直接声をかけることに不安がある場合は、迷わず警察に連絡してください。
懸念を伝えれば、最寄りの警察署や交番から警察官が駆け付けてくれます。
不審者が立ち去ることもあるので、警察官に特徴を説明できるようメモを取っておくと良いでしょう。
「何となくおかしい」「イヤな感じがする」といった感覚を信じてためらわず行動することが、不審者による犯罪を未然に防ぎます。
▼ わが街の防犯レベルをアップさせて不審者の侵入を防ぐ
防犯環境設計の考え方において、自分たちのテリトリーを明確に示して部外者が入り込めないようにすることを「領域性の確保」と言います。
具体的には、地域全体の環境や設備などがどこもよく手入れされていて、住人同士があいさつを交わし合うようなコミュニティでは、見慣れない不審な人物がうろついていれば目立ちますし、うかつなことはできない印象を与えます。
犯罪をもくろむ者は、敏感に雰囲気を感じ取ってそのような街を狙うのを避けようとするものです。
反対に、ゴミや落書きが放置されていたり、ご近所づきあいが希薄だったりするコミュニティでは、不審者が入り込んでいても見とがめられず犯行も容易となります。
【領域性の確保のための日常行動】
・道端にゴミが落ちているのを見つけたら、できるときだけでも良いので拾う
・ご近所の人とは、なるべくあいさつを交わす
・地域のイベントなどがあったらなるべく参加して顔見知りを増やす
地域住人、一人ひとりの小さな心がけが「領域性の確保」につながります。
自分が住む街に愛着を持つことも、大きな意味での不審者対策になるのです。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事
侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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