防犯カメラの選び方と注意点
▼ 防犯カメラで「何を見たいか」を明確に
犯罪の抑制効果が期待できるなど、防犯対策の一環として防犯カメラの設置を検討するご家庭が増えてきました。
配線が必要な本格的な防犯カメラや、Wi-Fiを接続してスマートフォンで映像を確認できる簡易的な防犯カメラなど、価格帯もさまざまに多くの防犯カメラが市販されています。
防犯カメラを設置するなら「防犯カメラを通じて何を見たいのか」を明確にしてから、種類の選定や、設置場所を決めましょう。
目的を定めず防犯カメラのスペックや機能だけで選んでしまうと、いざ設置しても侵入者の顔が特定できない、犯行の様子が映っていないといった可能性もあります。
<目的別 設置場所の一例>
・不審者、泥棒対策:玄関先、裏手の勝手口や敷地内の死角、ベランダなど
・自動盗難、車上荒らし対策:ガレージ、カースペース
・子どもやペットの見守り:室内の窓辺、リビングや子ども部屋など
たとえば自家用車を守るためにガレージに防犯カメラを設置する場合。
ガレージ全体をとらえられる広角レンズの防犯カメラが適しているように考えがちです。
広角レンズは、引きの構図で広くとらえることができますが、対象物が小さくなるため不審者の姿をとらえても顔を特定できないことがあります。
不審者の顔や風貌を鮮明にとらえるなら撮影範囲を絞ってそれに適した視野角のレンズを選ばなくてはなりません。
「見たいもの」を決めたうえで、それを映すのに適した防犯カメラを選定し、適した設置場所を決めましょう。
広角レンズの防犯カメラは、広範囲の人の動きや状況の変化など全体像を把握したいときに効果的です。
自宅敷地周辺に怪しい人がいないか確認したいという目的には適うでしょう。
「何を見たいのか」「どのような映像が必要なのか」をしっかりイメージすることが大切です。
▼ 防犯カメラ選びのポイント
防犯カメラで「見たいもの」が決まったら機種選定をはじめます。
目的に応じた機能やスペックを確認していきましょう。
(1)画質
画素数が大きいほど映像は鮮明になります。
防犯カメラの画質は価格によりさまざまです。
撮影する場所や目的にあわせて選びましょう。
人の顔や車のナンバーなどを鮮明に認識するなら、より高精細な防犯カメラを選ぶのがおすすめ。
最近は4K対応の防犯カメラも普及してきています。人の手元など、細部まで映し出すほど鮮明ですが、そのぶんデータ量が増える、コストが高いなどのデメリットもあります。
(2)耐久性
屋外に設置する防犯カメラは、防水防塵仕様のものを選びましょう。
環境によって防犯カメラの寿命が変わってきますので、防水機能があっても雨ざらしにならない工夫は必要です。
専用の雨除けカバーなども市販されています。
(3)逆光補正機能があるか
屋外に設置した防犯カメラは、時間帯によっては日光の影響で対象物が映らない可能性があります。
逆行補正機能がある防犯カメラを選んだほうが良いでしょう。
(4)夜間撮影が可能か
夜間の侵入者対策が目的なら、赤外線照射機能を備えた防犯カメラを選びましょう。
暗闇でも鮮明な映像を撮影することができます。
▼ 防犯カメラの設置で注意したいポイント
防犯カメラは、「見たいもの」がしっかり撮影できる位置、角度で設置する必要があります。
侵入者から破壊されないよう、高い位置に設置したほうが安心ですが、頭上から見下ろす位置では対象者の顔は映りません。
映り方を確認しながら、最適な設置場所を決めていきましょう。
また、防犯カメラに隣家の敷地が映り込んでいると、プライバシー侵害が理由でトラブルに発展する可能性があります。
自宅敷地内だけが映るよう、角度や画角を調整することも必要です。
死角をカバーしつつ、対象物をしっかり映し出し、プライバシーにも配慮する。
防犯カメラの最適な設置場所を決めるのは、なかなか大変な作業です。
迷ったり困ったりしたときは、防犯カメラ選びの段階から専門業者に相談したほうが良いでしょう。
特に配線が必要な屋外機器の場合、漏電などの心配もありますので専門業者による施工をおすすめします。
なお、人物が特定できる防犯カメラ映像は、防犯目的であっても個人情報として取り扱われます。
ご近所の方のプライバシーを侵害することのないように、撮影対象や範囲などを考慮して、適正な設置と運用を心がけましょう。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事
侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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