防犯 2023年02月03日

「泥棒に入られにくい家」の選び方と作り方

▼ 泥棒はココから入ってくる
家選びで注目したいのは、開口部の防犯性能。
泥棒の侵入手口は、「無施錠」の玄関ドアや窓が最多です。
次いで多いのは、「ガラス破り」。
ピッキングサムターン回しなど「施錠開け」の手口も存在しています。

一戸建てでも集合住宅でも「無施錠」と「ガラス破り」が多い傾向は共通していますが、集合住宅では「合鍵」を使って侵入する手口も見過ごせません。

泥棒の侵入経路を見ると玄関ドアや勝手口、窓などの開口部に防犯対策が必要なことがわかります。

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家を買う場合も借りる場合も、まずは開口部の防犯性能をチェックしてください。
ひとつのドアに対して2つの鍵で施錠する「ワンドアツーロック」が泥棒に対する防犯対策の基本です。
窓ガラスは、ガラス破りが困難な防犯ガラス、防犯性の高いCP錠※や補助錠が採用されている物件は、「防犯性の高い家」であると言えます。
※Crime Prevention」の頭文字を取ったもので、防犯性能の高い錠。

新築物件の場合、玄関ドアや窓の防犯性が考慮されていることも少なくありません。
古い物件の場合は、ピッキングが容易なディスクシリンダー錠が使われていたり、ガラス破りに狙われるクレセント錠が防犯性を考慮されていないタイプが付いていたりすることも少なくありません。
家の設備やデザイン、間取りに注目するように、「どんな鍵が使われているか」にも注目してみてください。

また、代表的な侵入手口である「無施錠ドア・窓からの侵入」「合鍵での侵入」は、家自体の防犯性能ではなく、住人の心がけで対策しなくてはいけない部分です。
昨今、侵入窃盗の3割以上は「居空き」「忍び込み」ですので、家に居るときでも油断はできません。
在宅中でも施錠する、合鍵を郵便受けなどに無防備に置かない、といった日ごろの対策も怠らないようにしましょう。

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▼ 泥棒に入られにくい家の選び方
家の防犯性能は、立地や環境にも左右されます。
泥棒が入りにくい、狙われにくい家の条件をまとめます。

(1)前面道路からの見通しが良い
泥棒は人目につくことを嫌うので、道路に面したサイドよりも、奥まったところに目をつける傾向があります。
道路に面していても、高い塀で囲まれた家はひとたび敷地内に侵入すれば周囲を気にせず作業できるため、背の低い植栽やフェンスなどで囲われた、敷地内の見通しが良い家を選んだほうが安心です。
マンションなど集合住宅の場合も、ベランダや玄関前の共有通路などの見通しが良い構造の物件を選んだほうが良いでしょう。

(2)足がかりになるものがない
2階の無施錠の窓から泥棒に侵入されるケースを見ると侵入経路によじ登れる「何か」があるものです。
高窓や、ベランダからの侵入ではエアコンの室外機、雨どいなどが足がかりに使われます。
雨どいの位置がベランダに近い、窓下にエアコンの室外機が設置されているといった家は、防犯対策がいっそう必要です。

(3)ベランダに目線が届きやすい
集合住宅では、高層階のほうが泥棒に入られにくい印象があります。
しかし高層階でも、屋上からロープで降りてきてベランダから侵入する「下がり蜘蛛」という手口に注意が必要です。
なぜ手間をかけて高層階を狙うのかと言えば、上の方が人目につきにくいから。
表通りから見上げてもベランダが見えない階より、怪しい人物がいたら目に留まるくらいの高さの階を選んだほうが良いかもしれません。

(4)周辺環境の不安が少ない
家を内見しただけでは、防犯の観点から見た安全性を図ることは困難です。
できれば家の周辺を歩いて回り、その土地の雰囲気や近隣住人の印象などを感じてみてください。
住人同士が無関心な印象なら、街の防犯性はあまり高くないかもしれません。
泥棒は、地域住人に見とがめられにくいコミュニティの希薄な地域を狙う可能性が高いからです。
また、日中だけではなく夜間に歩いてみると、暗い場所が多い、人通りが少なく不安など、気になることがあるかもしれません。
家から駅までのルートなど、日常的によく使いそうな道を探索してみてください。


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▼ 泥棒に入られにくい家の作り方
防犯力の低い家でも、防犯力を高めることはできます。
泥棒の嫌がることをするのが防犯対策です。

ホームセキュリティや防犯カメラを導入したり、センサーライトを設置したりすれば泥棒から敬遠される可能性が高まります。
また家の周囲に防犯砂利を敷けば防犯力アップにつながるはずです。
防犯アイテムを設置していることがわかるだけでも、泥棒が侵入を諦める可能性があります。

泥棒は下見する際に、表札や郵便受けをチェックするそうです。
表札に家族全員の名前があれば、家族構成を知られてしまいます。
住人の出入りを何日か観察していれば、留守の時間帯を容易に把握されてしまうでしょう。
郵便物があふれかえっていれば、何日も留守だと思われて、狙いをつけられてしまうかもしれません。

どのような家であっても、防犯上の弱点は必ずどこかにあるもの。
「泥棒の入りにくい家」は、住んでいる人の防犯意識によってつくられる部分が大きいのです。
家の弱点を認識して、防犯対策をおこなうことが何よりも肝心だと言えるでしょう。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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