防犯 2023年01月06日

自動車盗難の手口と対策

▼ 自動車盗難の傾向

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2021年 車両本体盗難の車名別盗難状況
(日本損害保険協会
「第23回自動車盗難事故実態調査結果」)

自動車盗難が増加傾向にあります。
2021年まで自動車盗難の発生件数は下降傾向でしたが、2022年になって増えており、警戒すべき犯罪のひとつです。

自動車盗難では、新しい年式の車が狙われるとは限りません。
盗難被害の約3割は10年以上前の年式です。
車の年式にかかわらず自動車盗難対策が求められます。

自動車盗難の被害車種と車上狙いの被害車種も類似しており、盗難被害はタイヤやホイールのほか、バッテリーやドアミラーなどの部品、カーナビやオーディオなどさまざま。
自動車盗難に狙われる車種の部品もまた狙われやすいということです。

大切なマイカーを守るためには、新旧、価格に関係なく、盗難被害にあっている現状を知っておきましょう。

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2021年 車両本体盗難の車名別盗難状況
(日本損害保険協会
「第23回自動車盗難事故実態調査結果」)

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▼ 自動車盗難の手口
テクノロジーの進化とともに、自動車盗難の手口も高度化しています。
ガラスを割るような荒っぽいやり方ではなく、自動車に使われている技術を逆手に取った手口が増えてきています。代表的な手口を紹介します。

【リレーアタック】

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スマートキーが発する微弱な電波を特殊な装置でキャッチして増幅。特殊な機器を複数回、経由させてリレーのように車のそばまで電波を送信して車の解錠やエンジン始動をさせます。
スマートキーは常時電波を発し続けているので、家のなかにあってもリレーアタックの被害にあう可能性があるのです。

【コードグラバー】
リレーアタックと同じく、スマートキーが発信する電波を悪用した手口。
コードグラバーという機器で電波を読み取り、IDコードそのものを盗み取るものです。
スマートキーのスペアを作成するようなもの。
本来、キーをなくしたときの緊急手段でしたが、車両窃盗に悪用されるケースが頻発しています。

【CANインベーダー】
車両のコンピューターネットワークに直接アクセスする手口。
本来は故障の点検などに用いられる機器を悪用し、キーの解錠やエンジンの始動をおこないます。
車両コンピューターを不正に操作。数分で車両を盗み出します。

いずれの手口も、スマートキーや車両のコンピューターシステムといった高度な技術を悪用します。
テクノロジーの進化は、車を便利に、快適にしてくれていますが、その影にリスクがあることも理解し、対策することが必要です。

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▼ 自動車盗難の対策
自動車盗難対策は、車種や年式に関わらず必須。
自宅の敷地に駐車していても、わずかなすきに盗まれてしまうことがあります。
以下のような対策を心がけてください。

【自動車の盗難対策】
(1)スマートキーを保護する
スマートキーの電波を悪用したリレーアタックやコードグラバーの被害を回避するには、スマートキーそのものを守る必要があります。
アルミ素材はスマートキーの発信する電波を遮断するので、アルミ素材の袋などに入れて持ち歩く、自宅でもアルミ缶などに入れて保護することを習慣にしましょう。
お茶や薬などを梱包したアルミ袋、アルミホイルなどでも代用できますが、カー用品店やネットショップに専用の防犯アイテムが市販されています。

(2)タイヤロック、ハンドルロックを使用する
物理的に車両を動かせないようにする盗難防止アイテムも、いろいろ市販されています。
自宅敷地内のカースペースや月極駐車場に駐車しているときはもちろん、買い物などで一時的に駐車場を利用するときも盗難対策は必要です。
わずか数分で窃盗被害にあうケースもありますので、油断しないようにしてください。

(3)駐車場は防犯性の高い場所を選ぶ
人目につきにくく、誰にも見とがめられず自由に出入りできる駐車場は、狙われる可能性が高いです。
月極駐車場を利用している方も、なるべく人通りが多く、照明や防犯カメラが設置されている、管理人がいるなど、防犯性の高い駐車場を選ぶようにしてください。

(4)こまめにマイカーを確認する
自動車窃盗犯は、下見をして車両を物色していることがあります。
週末などしか車を利用しない方、自宅から離れた場所に駐車場を借りているという方は、こまめにマイカーを確認して、異変がないかを確認してください。
車両所有者の利用頻度を確かめるために、ワイパーにチラシなどを挟んだり、目印をつけたりすることがあるそう。何日もそのまま放置しているのは危険です。

(5)GPS機器を設置する
万が一、自動車が盗難にあったときのことを考えて対策しておくことも肝心。
GPS機器を車内に設置しておけば、追跡が可能です。
たとえばセコムが提供するGPSを使った位置情報提供サービスココセコム」は、「万が一盗まれても追跡する」ことを考えて設計されており、2001年4月のサービス開始以来、多くの盗難車が「ココセコム」によって発見され、オーナーの元へ戻っています。
手のひらに収まる小型端末なので、ダッシュボードのなかなどに忍ばせておいても目立たず、邪魔になりません。

自動車の盗難対策は、「自分の車も狙われるかもしれない」と考えるところからはじまります。
日本損害保険協会が車両保険金の支払い状況からまとめた「自動車盗難事故実態調査」を見ると、盗難被害が多い車種の顔ぶれは毎年似ています。これらを所有している方は、特に警戒が必要です。
できることを怠らず、先に示したような、デジタルな対策とアナログな対策を組み合わせ、わずかな時間でも油断せず対策しましょう。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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位置情報提供システム「ココセコム」
位置情報提供システム「ココセコム」

■万が一盗まれても、現在位置を確認できる「ココセコム」


イモビライザーやカーアラームをつけていても盗難に遭うケースも発生しています。「ココセコム」の自動車用サービスは、「万が一盗まれても追跡する」ことを考えて設計されたサービスです。2001年4月のサービス開始以来、900台を超える盗難車がココセコムによって発見され、オーナーの元へ戻っています。
>>ココセコムについて詳しく見てみる

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