防犯 2022年11月18日

ひとりでもできる「地域防犯活動」のススメ

▼ 犯罪が発生する条件とは?
全国各地の警察が作成している犯罪発生マップを見ると、複数の犯罪が特定のエリアに集中して発生していることがあります。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
その理由を探るものとして、「ルーティン・アクティビティ理論」があげられます。

ルーティン・アクティビティ理論とは、環境犯罪学の考え方のひとつで、次の3つの条件がそろったときに犯罪が起こりやすくなるというものです。

(1)犯罪をおこなおうとする者
(2)標的
(3)監視者の不在

ルーティン・アクティビティ理論にしたがえば、「侵入窃盗やわいせつ犯罪を実行しようとする者」が街をうろつき、「標的」の家や対象者を絞り込んだとしても、「監視する存在」があれば、犯罪は成立しないということ。

特定のエリアで犯罪が頻発している場合、「監視者不在」の可能性が考えられるのです。

犯罪の発生を防ぐ「監視者」とは、警察官や警備員、防犯カメラなどのほか、地域住人なども該当します。
犯罪行為をもくろむ者は、誰かに見とがめられることを嫌うものです。
地域の活動としておこなわれる火の用心や防犯パトロールなどのボランティアが犯罪抑止として非常に有効だと言えます。

△ひとりでもできる「地域防犯活動」のススメ TOPへ

▼ 「領域性の確保」で悪いことができなくなる?
犯罪が発生しにくい環境をつくるためには、「領域性の確保」も重要です。
領域性の確保とは、防犯環境設計の考え方のひとつで、自分たちのテリトリー内に部外者が入り込みにくい雰囲気を形成すること。

地域全体がどこもよく手入れされていて、住人同士があいさつを交わし合うようなコミュニティでは、見慣れない不審な人物がうろついていれば目立ちますし、うかつに悪いことはできない印象を与えます。

「領域性の確保」。
難しく聞こえますが、一人ひとりのちょっとした心がけでできることもあります。

たとえば、自分の家やその周辺の環境をきれいに保つこと。
自宅の敷地内は整理整頓して、家屋の破損個所などはきちんと修理する。
家の前の道路を清掃したり、庭先にきれいな花を植えたりすれば、「よく手入れされた街」の一部として領域性の確保につながります。

画像

ガーデニングやクリスマス時期などのイルミネーションは、自宅の防犯対策としても有効です。
通りかかる人の目が自然とそこに向くので、犯罪者にとっては見とがめられやすい・侵入しにくい家と認識されるでしょう。
マンションなどの集合住宅なら、ベランダにハンギングバスケットやプランターを設置して、花を飾るのもおすすめです。




画像

△ひとりでもできる「地域防犯活動」のススメ TOPへ

▼ 「安全な街」に住むために意識したいこと
多くの街では、自治会や防犯ボランティア団体などが、地域のゴミ拾いや見守りボランティアなどの活動を通じて、安全なまちづくりのために力を尽くしてくれています。

しかし、仕事や子育てが忙しい世代にとっては、「地域の防犯ボランティア活動に参加するのはハードルが高い」と考える方は少なくないでしょう。

積極的に地域活動に参加できなくても、自宅の庭先や家の周辺をきれいに保てば、街の防犯につながります。

・道端にゴミが落ちているのを見つけたら、できるときだけでも良いので拾う
・ご近所の人とは、なるべくあいさつを交わす
・地域のイベントなどがあったら参加して顔見知りを増やす

いずれも犯罪が発生しにくい街をつくる「領域性の確保」につながることです。

自分が住んでいる街に愛着を持ち、できる範囲の「心がけ」を重ねることが大切。
日々の生活のなかで、「自分にもできる小さな行動」を意識することも、立派な防犯活動なのです。


* * * * * * * * *


<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

【関連記事 pick up!
みんなで守る地域の安全
無差別殺傷事件から逃れるために

△ひとりでもできる「地域防犯活動」のススメ TOPへ

セコム・ホームセキュリティ■緊急通報と言えば「セコム・ホームセキュリティ」

ご自宅におけるさまざまな不安に対応できるのが、「セコム・ホームセキュリティ」。防犯・火災監視・非常通報など、お客さま宅の異常発生を24時間365日セコムが見守り、万一の際には安全のプロがただちに急行する「セコム・ホームセキュリティ」もおすすめです。一戸建てだけでなく、マンションタイプや二世帯住宅タイプなどもラインナップしています。

SNSシェア
関連するカテゴリーを見る
空き巣