防災・防火 2026年10月16日

火を使わなくても火災に―電子レンジ火災を防ぐには

▼火を使わない電子レンジでも「火災」は起きる
電子レンジは、マイクロ波によって食品に含まれる水分子などを振動させ、その際に生じる熱で食品を温める仕組みです。
必要以上に長く加熱すると、水分が蒸発して炭化が進み、発火する恐れがあります。

東京消防庁の「火災の実態」(令和7年版)によると、東京消防庁管内では、2024年に電子レンジ火災が84件発生。
その約半数は、「過熱」によるものでした。

実際に、以下のような火災が報告されています。

・さつまいもを10分間加熱したあと、さらに5分加熱したところ出火
・冷凍食品を付属のプラスチックトレーごと15分間加熱し、食品とトレーが過熱されて出火

東京消防庁の再現実験では、さつまいもや中華まんなどを長時間加熱すると、発煙・発火し、急激に燃焼することが確認されています。長時間加熱したり、放置したりするのは危険です。

電子レンジは火を使わない調理家電ですが、使い方によっては火災につながることを忘れないでください。

▼「加熱時間」「容器や包装」「庫内の汚れ」に注意
電子レンジ火災を防ぐためには、食品や容器に適した正しい使い方を徹底することが大切です。

・加熱しすぎない
最初から長時間加熱せず、短めに設定して様子を見ながら追加してください。
特に水分の少ない食品や少量の食品は、短時間でも過熱することがあります。
商品パッケージの加熱時間表示をよく読むほか、オート機能を過信せず、加熱中に異変がないか注意しましょう。また、電子レンジ使用中は、なるべくそばを離れないようにしましょう。

・異物を入れない
金属製の容器やアルミホイル、金・銀などの絵付けや装飾がある食器などを加熱すると、火花が発生して火災の原因につながることがあります。
包装や容器が電子レンジに対応しているか必ず確認してください。
また、冷凍食品やレトルト食品も、包装のまま電子レンジで加熱できるとは限りません。
商品パッケージの温め方の説明をよく読むようにしましょう。

・庫内をこまめに清掃する
食品のカスや油などが付着したまま使用を繰り返すと汚れが炭化してスパークし、発火することがあります。
NITE(製品評価技術基盤機構)の再現実験でも、庫内に付着した汚れから発火する様子が確認されています。
食品が飛び散ったときはそのままにせず、こまめに拭き取って庫内を清潔に保ちましょう。


電子レンジは機種によって出力(500W・1000Wなど)や機能が異なり、適切な加熱時間も変わります。
普段使っている電子レンジの機能や注意事項を把握するためにも、取扱説明書にはしっかり目を通しておきましょう。
特に買い替えたときは、これまでと同じ感覚で使わず、正しい使い方を確認することが肝心です。



▼電子レンジから火が出たら、慌てて扉を開けない
加熱中に煙や炎が出た場合は、すぐに加熱を停止します。

このとき、慌てて扉を開けないでください。
扉を開けると空気中の酸素を供給することとなり、炎が大きくなるおそれがあります。

安全を確保できる場合は電源プラグを抜き、扉を開けずに火が消えるのを待ちます。
扉のガラスが高温になっている場合、水をかけるとガラスが割れるおそれがあるため注意が必要です。

火が消えない場合や、電子レンジの外まで燃え広がった場合は、無理に消火しようとせず、安全な場所に避難して119番通報してください。
万一に備えて、家庭用消火器などを使いやすい場所に備えておくことも大切です。

電子レンジに限らず、電気機器は火を使っていなくても火災につながることがあります。
使用方法や注意事項を守り、異常があったときにすぐ対応できるようにしておきましょう。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所レジリエンスインテリジェンスグループ 上級研究員
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会副会長

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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