防災・防火 2024年01月19日

モバイルバッテリーの発火事故を防ぐために

▼ モバイルバッテリーの発火事故が増加
充電して繰り返し使えるモバイルバッテリー。
手軽に持ち運びができることから、スマートフォンなどの予備電源として携帯している人が多いのではないでしょうか。

このモバイルバッテリーの発火事故が増えています。
事故原因としてあげられているのが、モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池。

落下などの衝撃、過度な圧力、高温環境、間違った使い方などにより発火や発煙の恐れがあります。
リチウムイオン電池は、モバイルバッテリー以外にも、スマートフォン、パソコンなどさまざまな電子機器に使用されており、身近なものです。
発火の危険性や正しい取り扱い方法を確認しておきましょう。

▼ 実際に起きたモバイルバッテリーの発火事故
モバイルバッテリーの発火事故が増加傾向にあることから消費者庁や自治体も注意喚起をおこなっています。
消費者庁の資料や、これまでに報じられて実例を参考に事故発生時のシチュエーションを見てみましょう。

【ケース1】
電車移動中にバッグ内のモバイルバッテリーが発火。
火はすぐに消えたが電車は緊急停止し、消防が駆けつけた。

【ケース2】
電車移動中胸ポケットに入れたモバイルバッテリーが発熱。
下車しモバイルバッテリーを放り出すと直後に火柱があがった。

【ケース3】
バッグを床に落としたところ、モバイルバッテリーが発火。
落下の衝撃が原因とみられる。

【ケース4】
廃棄されたモバイルバッテリーをゴミ収集車が回収。
白い煙があがった。圧力による発煙とみられる。

ほかにも「炎天下の自動車内で、モバイルバッテリーを充電コードのみ接続した状態で放置したところ、約2時間後に出火した」という実験結果も報告されています。


▼ モバイルバッテリーの発火事故を防ぐために
・PSEマークがついている製品を使う
安全基準を満たしている証である「PSEマーク」のついたモバイルバッテリーを選んでください。

・リチウムイオン電池の状態に注意
モバイルバッテリー内のリチウムイオン電池が劣化すると、膨張したり、高温を発したりすることがあります。膨らんで見えるときや、異常に熱くなっているときは、すぐに使用を中止しましょう。

・高温な環境で放置しない
真夏の炎天下、暖房機器のそばなど、高温に長時間さらされるとリチウムイオン電池が発火する恐れがあります。気温や室温に注意し、熱くなる場所に置きっぱなしにしないようにしてください。

・衝撃や圧力にも注意
モバイルバッテリーを落としたり、ぶつけたりしないよう、注意してください。
また圧力がかかることで発火することもありますので、バッグや引き出しのなかなど、狭いスペースに無理やり押し込んだり、ズボンのポケットに入れたまま座ったりすることがないよう、気をつけてください。

・充電中は周囲に可燃物を置かない
充電中に万が一の発火があった場合に、燃え広がらないために周りに燃えやすい材質の物は置かないようにしましょう。また、もしもの発火に備えて、充電中は目の届く範囲に置いておきましょう。

・モバイルバッテリーにつないだ状態でスマートフォンを使用しない
モバイルバッテリーから充電しながらスマートフォンを使用すると、リチウムイオン電池が発熱しやすくなり、劣化や発火の原因になります。
モバイルバッテリーだけでなく、つないでいるスマートフォンにも負担がかかりますので、「通話中でバッテリーが切れそう」などの緊急時以外は控えましょう。


モバイルバッテリーは、使い方や取り扱いだけではなく、廃棄にも注意が求められます。
誤ったゴミの出し方で処分されたモバイルバッテリーが、ゴミ収集車やゴミ処理施設で発火する事故が多発しているそうです。
リチウムイオン電池を使った製品の処分方法は自治体によって異なりますので、自治体ホームページなどで必ず確認してください。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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