防災・防火 2023年12月01日

住宅火災の出火原因と対策

▼ 火災は15分に1件起きている
消防庁の発表によると令和3年中の出火件数は3万5,222件。
1日あたりおよそ96件、15分に1件、火災が発生したことになります。
グラフからも分かるように、一年の中で、空気が乾燥する冬から春先の出火が多くを占めています。

出火件数3万5,222件のうち55.5%が建物火災に分類され、建物火災の55.9%にあたる1万936件が住宅火災です。

住宅火災の出火原因(放火を除く)の上位5位までを見ると、多い順に「こんろ」「たばこ」「ストーブ」「配線器具」「電気機器」となっています。

いずれも日常生活に不可欠です。
日常的に使うものだからこそ油断は禁物。

誰もが火災に見舞われる可能性があることを忘れてはいけません。

全火災の月別出火件数(2021年 消防庁)


【火災対策ワンポイント!「電気は出火しない」の誤解】
住宅火災の出火原因上位である「配線器具」や「電気機器」。
近年、出火原因として増加傾向にあります。
火を使わないことから発火するイメージが浮かびにくいものですが、通電・蓄電する電気製品は火災の原因になります。
家電の許容量を超えた過電流により突然発火する可能性は否定できません。
また、いわゆる「タコ足配線」や、電源タップの掃除不足、メンテナンス不足による火災リスクは決して低くありません。

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▼ 3大出火原因別の対策
令和3年に発生した住宅火災のうち、3大出火原因としてあげられるのが、「こんろ」(1,757件)、「たばこ」(1,209件)、「ストーブ」(835件)です。

●「こんろ」の防火対策
「こんろ」が発火した原因として多いのは「放置」と「忘れる」。
調理後の火の消し忘れ、調理中にこんろから離れたことなどが、出火につながっていると考えられます。
「こんろ」は、火を扱う機器であることを忘れないでください。

・こんろから離れるときは必ず火を消す
・外出や就寝前には元栓を閉める
・燃えやすいものを近くに置かない
・すぐ手が届く場所に消火器を設置する


●「たばこ」の防火対策
「不適当なところに捨て置く」ことが発火につながるようです。
たばこが落下して可燃物に引火するケースも多いので、寝たばこ、たばこの消し損じや消し忘れ、火が付いたまま放置など、不用心な喫煙行動には注意してください。

・たばこを吸い終わったら確実に消す
・吸い殻はこまめに捨て、念のため水をかけておく
・空き缶などを灰皿代わりにしない
・紙類や衣類、布団など燃えやすいもののそばで喫煙しない
・寝たばこは絶対にしない


●「ストーブ」の防火対策
ストーブの発火原因で多いのは「可燃物が接触・落下」するケース。
直接火がふれていなくても、ストーブから伝わる熱で発火する「ふく射」でも多数火災が発生しています。
ストーブ火災のほとんどは利用者の不適切な取り扱いによるもの。
燃えやすいもののそばで使用すればいつ発火してもおかしくありません。

また、電気ストーブも出火原因になります。
東京消防庁の実験によれば、電気ストーブの前面10cm以内では燃えやすいものが発火する可能性が確認されています。

・外出、就寝前にはストーブを必ず消す
・燃えやすいものは近くに置かない
・ストーブの上や近くで洗濯物を干さない
・ストーブの周囲を柵で囲うなどして近づきすぎないようにする
・電源を必要とするストーブは、使用していないときはプラグを抜く


【火災対策ワンポイント!「放火」に注意】
放火による火災も、例年数多く発生しています。
消防庁の発表では、令和3年中の住宅火災うち、放火(放火の疑いを含む)はおよそ1,000件。
自宅の周りにゴミや新聞など、燃えやすいものを放置すると火をつけられる可能性もあります。
火災対策として自宅の敷地周辺の清掃や整理整頓を心がけましょう。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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