地震発生、そのとき「非常用トイレ」の必要数とは
▼ 災害時に誰もが直面する「トイレ問題」
大地震が発生するとトイレが使えなくなることがあります。
断水だけならくみ置いておいた水などで流すことができますが、トイレの排水管が破損している場合、流れが悪くなって汚水がトイレからあふれ出す可能性も否定できません。
地震によるトイレの被害状況が確認できるまで使用を避けたほうがよいでしょう。
被災によって自宅のトイレが使えないとなれば、待たれるのは仮設トイレです。
2016年に発生した熊本地震を例に仮設トイレの設置状況を振り返ってみます。
マグニチュード6.5の「前震」が発生した当日に仮設トイレが設置された避難所は、1割以下。
2日後に発生したマグニチュード7.3の「本震」までに、仮設トイレが設置された避難所は7割弱でした。
すべての避難所に速やかに仮設トイレが設置されたわけではないことがわかります。
また震災発生後は一般的に、仮設トイレが設置されても管理が行き届かず不衛生になりがちです。
「不衛生なトイレにはなるべく行くたくない」という感情から水分摂取や食事を控えて体調不良になる人も多くいます。
被災時のトイレは、食料品や生活用品の確保以上に難しい問題です。
トイレの確保は、何にも優先して考えておくべき災害の備えと言っても過言ではありません。
▼ 「非常用トイレ」の必要数は?
震災発生時にトイレ問題で困らないためには、自助の備えが欠かせません。
各家庭で非常用トイレを準備しておきましょう。
では、非常用トイレはどれくらい必要なのでしょうか。
人がトイレに行く回数は、1日に6~7回程度と言われています。
【4人家族の場合、必要な非常用トイレはいくつ?】
4人×7回使用=28個
4人家族だと1日に28回分の非常用トイレが必要だということです。
ライフラインの復旧目安である1週間分を用意するなら、
28回分×7日間=196個
およそ200回分の非常用トイレが必要です。
災害用の備蓄品として非常用トイレをストックしている家庭は多いと思いますが、その数は十分でしょうか。
いざ被災したら、トイレ問題は大きな不安要素になることは間違いありません。
ライフラインが復旧するまで落ち着いて過ごせるよう、非常用トイレは多めに用意しておくことをおすすめします。
▼ 練習しておきたい「非常用トイレ」の使い方
非常用トイレにはいろいろなタイプのものがあります。
備蓄しておくだけではなく、非常用トイレの使い方を練習しておいたほうが安心です。
特に子どもは繊細なので、普段と違うトイレを敬遠しがち。
何ごともない普段の生活のなかで、非常用トイレを経験しておくと良いでしょう。
防災訓練の一環として、家族全員が実際に非常用トイレを使ってみてください。
洋式の便座にビニール袋と凝固剤をセットして使用するタイプのものは、コンパクトなので多数ストックしておきたい家庭におすすめです。
住居に倒壊の危険性がなければ、避難所に行くより在宅避難のほうが安心して過ごせます。
在宅避難に備え、トイレ問題はクリアしておくべきです。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事
侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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