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警察庁のまとめによると、2015年上半期の「特殊詐欺」の被害は減少傾向となっています。1〜6月の被害総額は236億5000万円となり、前年同期比で11.8%の減少となっています。これは、振り込め詐欺以外の特殊詐欺の被害額が、前年同期比で53.7%の減少となったことが影響しています。
一方で、オレオレ詐欺に代表される振り込め詐欺は16.2%の増加となっています。また、被害総額は減少に転じているものの、被害の件数は1割以上増えており、被害者の増加に歯止めがかかっていないようです。
金融商品等取引名目詐欺は14%の増加
特殊詐欺の総額では減少となりましたが、1件あたりの被害額では、相変わらず増加基調となっているものがあります。手口別に、被害の状況を見てみましょう。
右の図は、手口別の1件あたりの被害額です。赤い棒グラフが2015年上半期、青い棒グラフが2014年上半期です。いわゆる振り込め詐欺と呼ばれるグループを右上に、振り込め詐欺以外の特殊詐欺のグループを右下に示しました。
これらの中で、昨年に比べて増えているものは、10%ほど増えた融資保証金詐欺と3%ほど増えた還付金詐欺、そして14%ほど増えた金融商品等取引名目詐欺です。中でも、金融商品等取引名目は、1件あたり1000万円を超えています。
月平均で1件あたり2000万円に迫る被害
この金融商品等取引名目は、件数・被害総額ともに大幅に減少しています。ところが、件数の減少率の方が大きいため、1件あたりの被害額でみると、前年比で増加となっています。また、他の手口と比べて1件あたりの被害額が一桁多くなっているのが気になります。
先に図で示しましたように、上半期の平均としては1190万円ですが、月別にみると6月は1968万円と、2000万円に迫る勢いとなっています。ちなみに、特殊詐欺全体の1件あたりの被害額は370万円ですので、いかに大きいものであるかがお分かりいただけるかと思います。
新しい話術を使って次々と
今回、2015年上半期の被害状況をみると、全体では減少となりました。これは、前述したように「振り込め詐欺以外の特殊詐欺」の被害が、大幅に減少したことが効いていますが、オレオレ詐欺に代表される「振り込め詐欺」については、被害総額はすべて増加となっています。件数では融資保証金詐欺がわずかに減っただけで、いずれも増加です。
一時期、「その他」の手口が伸びていましたが、"オリジナル"の「振り込め詐欺」でも、犯人側の話術に新しいタイプが増えてきているようです。先日も、「熱中症で声がおかしいんだ!」という犯人がいたとか、葬儀費用であると金融機関に信じこませるために「喪服で行くように」と指南する犯人がいたという報道がありました。犯人らは、新しい手口でも近づいてきますが、新しい話術も"開発"しているようです。
【参考情報】
・データから読む「被害総額500億円を突破した特殊詐欺」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
特殊詐欺の手口別の1件あたりの被害額
(上:振り込め詐欺、下:振り
込め詐欺以外の特殊詐欺)
(2015年、2014年とも上半期、
警察庁のデータをもとに作成)
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