ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 1万件を切った来日外国人犯罪
法務省の入国管理局の統計によると、昨年2014年の外国人入国者数は1400万人を超えているようです。通年統計が未発表なので、毎月の統計を足し合わせてみました。誤差が含まれていると思われますが、2013年の1126万人を超えたことは間違いなさそうです。
日本を訪れる外国人は増えていますが、日本にやってきて罪を犯す外国人は減少しているようです。警察庁が発表した「来日外国人犯罪の検挙状況」によると、2015年の来日外国人による刑法犯検挙件数は9664件となり、9年連続で減少となっています。
また、1993年以降ずっと1万件を超えており、23年ぶりに1万件を下回ったことになります。
最も多いのは万引き
罪種別では窃盗犯が最も多く、刑法犯全体のうち69.5%となっています。その窃盗犯の中でも、最も多いのが万引きとなっています。右の図が、窃盗犯に占める犯罪の割合を示したものです。
万引きに次いで、住宅侵入盗、車上ねらい、自動車盗と続きます。カギのかかっているところを、こじ開けたり、破壊したりする必要のある、侵入盗や乗り物盗よりも、目の前にある商品を盗んでいく万引きの方がやりやすいということのようです。また、国籍・地域別にみると、1位は中国で、次いで、ベトナム、ブラジル、韓国、フィリピンと続きます。
自動車を狙わない中国人
さらに細かくみると、犯罪のタイプによって、国籍・地域別に得意分野があるようです。刑法犯全体でみると、先に示したように中国がトップとなりますが、万引きについてみると、トップはベトナムで、次いで中国、韓国、フィリピン、ペルー、ブラジルと続きます。
住宅侵入盗についてみると、トップは中国で、次いでコロンビア、さらに韓国とフィリピンが同数で並びます。さらに、自動車盗についてみると、ブラジル、ベトナム、スリランカと続きます。ここでは中国はゼロとなっており、自動車は狙わないことがわかります。
また、来日外国人犯罪の特徴として、複数人数での犯行があります。一時期よりは減っていますが、2014年の統計をみると、35.1%が複数犯となっています。日本人の複数犯の割合が12.7%ですので、3倍近く多いことになります。ちなみに、10年前に2004年では、外国人の複数犯の割合は69.0%となっていましたので、かなり減ってきているといえます。
万引きされない"スキ"のない日本人を目指そう
来日外国人による犯罪は減少傾向となっていますが、一部犯罪では増加となっているものもあります。暴行はこの10年で3倍以上に増えていますし、詐欺や強制わいせつは1.5倍から2倍に増えています。これについては、昨年国内で発生した121万件の刑法犯でも、同じような傾向となっています。来日外国人犯罪でも、侵入盗よりも詐欺などの犯罪にシフトしているようです。
今後ますます日本を訪れる外国人は増えるものと思われます。それに伴い、犯罪が増えることのないように、スキのない日本人を目指していただきたいと思います。
【参考情報】
・データから読む「さらに巧妙化する来日外国人の犯罪」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
来日外国人による窃盗犯の
罪種別検挙件数
(2014年、警察庁)
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