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先日、警察庁から2014年の犯罪統計が発表されました。1月に発表された速報値に続き、罪種別、都道府県別など、詳細データとして発表されました。
犯罪全体を示す、刑法犯の認知件数は121万2163件で、2013年に比べ10万1977件の減少となりました。また、皆さんのお住まいを狙った住宅侵入盗も減少しており、2013年に比べ9701件少ない4万8120件となりました。11年連続して減少しています。
刑法犯の4分の3が窃盗、窃盗の1割が侵入盗
刑法犯の中で、最も多くを占めるのは窃盗犯です。今回の統計を見ると74.0%を占めています。この割合は、この数年あまり変わっていません。おおむね刑法犯の4分の3が窃盗犯となっています。
さらに、窃盗犯のうち侵入盗の占める割合は10.4%となっています。こちらもこの数年変化はあまりなく、おおよそ1割が侵入盗となっています。
そして、侵入盗のうち住宅侵入盗の割合は51.4%となっています。この数字については、近年減少傾向にあります。ドロボウの好みが変わったのでしょうか。
侵入盗の5割が住宅侵入盗
右の図は、侵入盗に占める住宅侵入盗の割合の推移などを示したものですが、2008年には約6割となっていたものが、昨年は5割近くまで減少しています。つまり、ドロボウは住宅以外に侵入する割合が増えているのです。
事務所や店舗、学校など住宅以外の建物が狙われる傾向にあります。中でも、倉庫荒しの上昇が目立っています。侵入盗に占める倉庫荒しの割合は、2008年に4.9%でしたが、昨年は8.9%まで上昇しています。
ドロボウの好みが住宅に戻らないために
住宅侵入盗は2003年の19万件を最高に、昨年は4万8千件まで減少してきました。およそ4分の1になりました。一方で、刑法犯については2002年の285万件が、昨年は121万件になりましたので、半分程度の減少です。モノ盗りを指す窃盗で見ても、5分の2程度の減少に留まっています。住宅侵入盗は、他の犯罪に比べて大きく減少しており、ドロボウにとって、住宅は入りにくい建物に変わってきていると言えそうです。
2004年以降に登場してきた防犯建物部品の普及や、警察官の増員などの治安維持が功を奏したことも事実ですが、お住まいになっている皆さんの防犯活動が、大きな効果を発揮したものと思われます。先に示しましたように、侵入盗のうち住宅を狙う割合は51.4%まで減ってきました。再び増加に転じることのないように、施錠励行などの防犯活動を、引き続き進めていただきたいと思います。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
侵入盗に占める住宅侵入盗など
の比率の推移
(警察庁のデータをもとに作成)
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