ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 天ぷらを揚げる時は目を離さないで
先週から、秋の全国火災予防運動が行われています。今回の標語は「もういいかい、火を消すまでは、まあだだよ」です。
すでに、立冬を過ぎ、ストーブが恋しい季節になってきました。暖房器具に、ほこりなどの付着物がないか、使い始める前に点検をしていただくことも、火災予防の第一歩かと思います。
今回は、火災が発生しやすい冬を前に、火の管理について考え直してみたいと思います。
住宅火災のおよそ2割はコンロが原因
住宅における火災原因のトップは、ストーブではなく、コンロです。消防庁のまとめによると、2013年の住宅火災のうち、18.6%がコンロからの出火となっています。ちなみに、前出のストーブは3位で、8.3%となっています。コンロ火災のうち、天ぷら油によるものが多くを占めています。
今回の標語にあるように、火をつけている間は目を離してはいけません。意外と短い時間で油が高温になり、火の手が上がってしまいます。多くの方は、油に火が接していないから大丈夫だと思われていますが、天ぷら油の火災の正体は、コンロの火が油に回り込んで"引火"するのではなく、油自体が"発火"することによって起こるのです。おおむね、360℃くらいで発火に至ります。
発火温度が低い油も
天ぷらなどの揚げ物をするとき、どんな油を使われているでしょうか。一番多いのは、サラダ油かと思いますが、最近では、体に脂肪がつきにくいなどとうたった成分を工夫した油を使われている方も多いかと思います。しかし、これを選んだ場合は、より注意をしていただきたいと思います。
右の図は、国民生活センターが調べたものを示したものです。普通のサラダ油の発火温度は360℃であるのに対し、成分を工夫した油は、それより20℃ほど低い、340℃くらいで発火しています。発火するまでの時間も少し早くなりますので、決して目を離してはいけません。また、少ない油で揚げることができるとうたわれているものもありますが、少なければ温度が上がるスピードも速く、より注意が必要となります。
万が一の火災に備えて
天ぷら油の温度が高くなってくると、まず煙が出始めます。ほどなくして発火する可能性がありますので、コンロの火を弱めることが重要です。天ぷら油に火が付くと、火が大きくなる傾向があります。火勢が弱い間に、消火しないといけません。この初期消火に失敗して、火が天井に届くほどになってしまったら手遅れです。すぐに避難し、消防に連絡してください。無理に消そうとして、逃げ遅れるケースが少なくないと消防の方に聞いたことがあります。そうならないためにも、目を離してはいけません。
油の温度が発火点に発することがないように、温度調節機能付きのコンロを利用するのもひとつの手です。また、コンロ周辺が油で汚れていたり、火が付きやすいものが近くにあったりすると危険性は高くなりますので、整理整頓も火災防止には大切です。
万が一、火が出た場合でも、すぐに気が付くことができるように、住宅用火災警報器の設置が重要です。キッチンは調理の都合上、煙が出る場合が多いので、寝室などに設置する煙感知タイプではなく、熱感知タイプを選んでください。また、消火器の準備はもちろんのことですが、レンジフードに取り付けられる、コンロ専用の消火装置も、万が一のためには有効かと思います。
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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
食用油の種類別の
発火温度と発火時間
(国民生活センター調べ)
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