ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 一般市民が使える35万台のAED
厚生労働科学研究によると、2012年末時点におけるAEDの普及台数は、44万7818台になるとのことです。この普及のおかげで、危機にさらされた命を取り留めることができた事例は確実に増えています。
AEDが、一般市民も使えるようになって、今年でちょうど10年です。消防署や日本赤十字などで行っている救命救急講習の受講者も年々増えています。この講習にも、AEDの使い方が組み込まれており、使い方を知っている人も多くなってきています。
筆者も何回か受講していますが、すでに前回の講習から年数を経てしまったので、そろそろ再受講しようと思っているところです。
単位人口でみると設置台数1位は山梨県
かつては、医療機関が設置している台数が最も多い状況でしたが、2004年に一般市民でも使用できるようになり、市役所や学校などの公共施設に設置されるようになると、台数は飛躍的に増えていきました。
2012年末時点では、44万台のうち医療機関に設置されているものが2割弱、救急車などの消防機関にあるものが数パーセント、残りの8割弱が一般市民の使用できるものとなっています。
普及台数を県別にみると、最も多いのはやはり東京都で、次いで大阪府、愛知県、神奈川県と続きます。一方、単位人口当たりの台数をみると、1位は山梨県で、次いで島根県、東京都、福井県、高知県と続いています。
一カ月後の生存率は4割
消防白書によると、一般市民によってAEDが使われた事例は、2012年には全国で881件となり、2005年の件数と比べると、およそ20倍も増えています。
右の図は、救急隊が到着するまでに、一般市民の応急処置の有無による一カ月後の生存率を示したものです。応急処置が行われた場合に比べ、応急処置が行われた場合の生存率は高く、2012年では1.7倍となっています。さらに、AEDによる除細動が行われた場合には、41.4%まで高くなっています。一般市民による応急処置がなかった場合と比べると、生存率は5倍ほどの開きがあることになります。また、2005年時点のAED使用による生存率は26.1%でしたが、それと比べても1.6倍ほど高くなっています。
もっと使いやすいAEDにするために
先に示しましたように、一般市民が使うことができるAEDは、いまや35万台を超えています。年々、使用される件数は増え、881件までになりました。しかし、一般市民が心肺停止の傷病者を目撃した件数が2万3797件もあることを考えると、まだまだ少ない数字と言わざるを得ません。中には、AEDがどこにあるのかわからなかったケースもあると思われます。建物内のどこにあるのかが分かるように、非常口を示すサインのようなものが増えていくといいのではないでしょうか。
セコムでは、一般の市民がAEDを使えるようになった直後から、AEDをレンタルで提供する、日本初の「セコムAEDパッケージサービス」の提供を開始し、ご契約台数は約9万1千台(2014年6月末時点)を超えました。また、先月からは、新しいサービスとして「セコムAEDスキルアップサービス」の提供も開始しました。もっと利用が進むように、もっとたくさんの命が助かるように、バックアップ体制を整えていきたいと考えております。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
心臓に原因のある心肺停止の
傷病者に対して、一般市民が
行った応急処置の違いによる
一カ月後生存率の推移
(消防白書)
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