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現実世界における犯罪、いわゆる刑法犯の認知件数は減少傾向にあります。しかしながら、サイバーの世界の犯罪については年々増加しています。
先日もこのコラムで書かせていただきましたが、インターネットバンキングの不正送金が大きな問題となっています。警察庁のまとめによると、2013年の被害総額は14億円を超えたとのことです。1件当たりの被害額も、昨年11月時点では105万円でしたが、年末の時点で107万円と増えています。手口の多くは、ウイルスに感染したコンピュータから、口座取引に使うIDやパスワードを盗む方法だったようです。
このように、自宅の出入り口である玄関の施錠をしっかりとしていても、ネット社会の出入り口であるパソコンなどの弱点を突かれてしまう、サイバー被害が後を絶ちません。
サイバーセキュリティの日と情報セキュリティ月間
スマートフォンを始め、様々なツールがネットにつながるようになり、非常に便利な社会になっています。しかしながら、その一方でユーザー側のネット社会に対する心構えは、まだまだ未熟といえそうです。
そんなウィークポイントを変えていくきっかけにするべく、政府は毎年2月を「情報セキュリティ月間」として、啓発に取り組んできました。この月間の最初の平日を「サイバーセキュリティの日」としています。今年は、一昨日の2月3日でした。これまで、「情報セキュリティの日」としてきましたが、今年から名称が変更になりました。
OSのセキュリティパッチを更新している人は約5割
サイバーセキュリティの啓発が必要と思われる事例として、昨年末に情報処理推進機構が調査した意識調査を紹介してみたいと思います。パソコンの基本ソフト(OS)の脆弱性を補うために、時々OSのメーカーからセキュリティパッチが提供されています。この更新をしている人の割合は、被害経験の有無で多少差はありますが、半分くらいのようです。
さらに、この更新をしない人の理由についてみると、更新方法がわからないという人が最も多く、被害経験のない人で43%、被害経験のある人で35%となっています(右図参照)。パソコンの初心者ほど、この割合は高くなっています。また、更新に費用がかかると思っている人も3割くらいいるようです。
ネット社会を走る車の制御
かつて、パソコンは一部の愛好者が使うものでしたが、今では誰でも簡単に入手することができるものになっています。さらに、手のひらに収まってしまうスマートフォンの登場により、ネット社会はますます身近なものになっています。このように、ハードウェアばかりが先行して、利用者側のリテラシーはなかなか向上していないというのが現状です。例えるなら、ブレーキの効きにくい車に、F-1のエンジンを載せてしまったという感じでしょうか。ブレーキ性能を高めておかないと、ネット社会を暴走して思わぬ事故に遭ってしまいます。そうならないためにも、サイバー空間のセキュリティについて、今一度見直してみてください。
【関連情報 pick up!】
・「サイバーセキュリティの日」について
・国民を守る情報セキュリティサイト(内閣官房情報セキュリティセンター)
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
セキュリティパッチの更新をしない理由
(情報処理推進機構しらべ)
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