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力仕事をする労働力としての存在
エンジン動力によるトラクターなどの農耕機械が発明される以前、牛や馬などの家畜は、農耕に欠かせない存在でした。世界のいたるところで、農耕などの生産活動の助けとして家畜が飼われていた記録が残っています。日本においても、長い間、牛や馬はスキを引かせ田畑を耕すために飼われていた動物でした。
犬や猫も実利を目的とした存在から、ペットに変化した
現代の日本社会では「家で動物を飼う」というのは、犬や猫などの「ペットを飼う」ということとほぼ同じ意味であり、牛や馬などの動物を、家畜として何らかの力仕事をさせるために飼っている家はほとんど存在しないものと思います。
実は犬や猫も、狩りや牧畜の助けとして飼う、ネズミなどの農業収穫物に対する害獣を駆除するために飼うなど、はじめは人の実利を目的とした存在だったそうです。それがやがて、飼育自体を目的とする愛玩動物、すなわちペットに変化してきたものと考えられます。
犬の持つ特性は、防犯目的にうってつけ?
代表的なペットである犬は、「人の顔を見分けられる」、「吠えることで見知らぬ人が現れたことを知らせることができる」という2つの能力を持っています。このことから、現在においても、かならずしも愛玩目的だけではなく、防犯という実利目的、すなわち「番犬」として犬を飼っている家も少なからずあるのでは?と思います。
犬の持つ「人の顔を見分けられる」という能力を、システムで実現することは必ずしも簡単なことではなく、実用レベルで使える形になったのはそんなに昔のことではありません。その意味で、犬は、最新のシステムにも勝るとも劣らぬ優れた防犯能力を持っていると言えるでしょう。
犬は、その本能から、外敵の侵入をいち早く察知するだけでなく、吠えるという行為で威嚇して追い払う能力を持っています。また、噛みつくという形の攻撃力も持ち合わせていることが、いざという時の助けになり、「番犬」という形での存在価値を認められてきたという歴史があるものと思います。
犬が持つ防犯上の弱点も
一方で、犬は、ペットとして求められる要件のひとつである「人に馴れ、人によるコントロールに服しやすい」特性も持っています。犬が、太古の昔から人の生活の傍らにいる存在として認められてきたのは、この特性を持つがゆえだと考えられます。
犬の持つこの特性は、防犯面においては弱点にもなり得ます。悪意の人間が巧みに近づくことで、その人間にも馴れてしまい、吠えることをしなくなってしまいがちなのです。防犯目的も兼ねて犬を飼っている人は、「番犬を餌などで手なずけた後に侵入する」という手口が昔から存在していたことを覚えておいていただければと思います。
身を守るための「たよりになる存在」
見知らぬ人や、できごとに対して犬が見せる「警戒」と、吠えることによる「警告」、および飼い主に対する「通報」。これらは現在においても身を守るための基本であることに変わりありません。熊などの、どう猛な野生動物や、敵対する部族などの中で生きざるを得なかった太古の人類にとって、犬は、自らの身を守るために大いに「たよりになる存在」だったことでしょう。
この「たよりになる存在」であることこそが、科学技術が進んだ現在、ホームセキュリティをはじめとするセキュリティシステム全般に求められているのではないかと思います。
(参考)
・セコム防犯・防災入門「泥棒は犬を手なずけるのが得意!?」
・安心豆知識「最先端技術の研究を行う『セコムIS研究所』」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文
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