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前回のコラムで、犯罪件数はこの10年間で約半分にまで減少したことをご紹介しました。ここで言う犯罪件数とは、警察に被害届が出された件数で、「認知件数」と呼ばれています。読んで字のごとく、警察で認知した件数ということです。
しかし、犯罪が起きても、実際には届出がないこともあり、そのように警察に認知されていない犯罪件数のことを暗数と言います。
この暗数に関する調査は、欧米では30年以上前から行われ、日本では2000年から4年ごとに犯罪被害実態(暗数)調査として実施されています。
自動車盗やバイク盗でも届出は半分程度
この調査結果の概要が先日発表された犯罪白書に掲載されました。そしてその中に、被害申告率をまとめたものも掲載されています。
これは、過去5年間の被害について回答されたもので、右の図がその一部です。これを見ると、被害者の半分程度しか届出をしていないことが分かります。最も届出があったのはバイク盗の61.7%で、不法侵入未遂に関しては、5人に1人しか届出をしていません。
大した被害ではない場合は届出をしない人が多い
届出をする、しないの背景や詳細についてはまだ公表されていません。しかし、前回の調査結果を参考にすると、届出をしない理由には、被害の重大性に乏しいということがあり、また一方で、届出をした理由では、奪われたものを取り戻すためという理由が最も多く、この中には保険金をもらうためという理由も含まれています。このことからも、自動車盗やバイク盗の被害申告率が比較的高くなっています。
犯罪の実態把握に重要な調査
先に示したように、認知件数はあくまで届出された件数であり、実際の件数とは異なります。このように、認知件数と暗数に関する調査を見比べることで、本当の犯罪件数を推定することが可能となります。その意味でも、暗数調査は非常に重要な調査ということが言えます。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
過去5年間の被害申告率
(犯罪被害実態調査より、法務省)
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