ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 起こる可能性のあることは必ず起こる
来週の月曜日、5月21日の朝、西日本から東日本の太平洋側を中心に日本の広範囲で金環日食を見ることができます。東京で金環食が観測できるのは、江戸時代以来ということであり、まさに世紀の天体ショーと言えるでしょう。多くの人が見る準備をしているかと思いますが、専門家の注意を守り、目を痛めないように気をつけてください。
さて、この日食ですが、太古の昔は天変地異の前触れとして大いに恐れられていたようです。太陽が見えなくなることは当時の人々にとって、まさに天災そのものだったのでしょう。昔は、人智の及ばぬ不気味な現象だった日食ですが、今では、各天体の運動を計算することによって、いつどこで起こるかについて正確に予測できます。
世界中の歴史的文明では、日食の予測法が研究され、それによって天文学が大きく進歩したことが知られています。これらの研究によって、日食は神秘的な現象から、必然的に起こるべくして起こる自然現象に変わってきました。
日食については正確な予測ができるようになった現在ですが、昨年の震災といい、先日の竜巻といい、天災となる自然現象がいつどこで起こるかを予測できるようにすることは、昔から人類の悲願と言って良いかもしれません。
「マーフィの法則」を覚えていますか
皆さんは、以前に日本でもずいぶん流行った「マーフィの法則」を覚えていますか。「トーストを落とすと、バターを塗った面を下にして着地する」など、先人達が遭遇した日常現象を、ユーモラス、かつアイロニーに富む表現の形でまとめた経験がたくさん並んだものでした。実際に、多くの人がこれを読んでニヤッとした経験があるかと思います。
半分ジョークともとれるマーフィの法則ですが、この法則の基本的考え方は「起こる可能性のあることは、いつかは実際に起こる」という数学の確率論的な事実であって、決してジョークではないのです。マーフィの法則は、「さいころを何回も投げ続けていると、いつかは必ず一の目が出る」という誰もが知っている事実を、あたかもジョークに見えるように書き綴ったものと言っても良いかもしれません。たとえ、そのさいころが6つの面でなく、100万個の面を持っていたとしても、そこに一の目がある限り、それを無限に投げ続けていると、いつかは必ず「一の目」は出てしまうのです。
できるだけ「一の目」を出ないようにするには
天災を含むさまざまな事件、事故は、自然界、もしくは社会で行われている人の営みの中で、さいころを投げるという行為が無数に行われた結果出てしまった「一の目」に相当します。どんなに稀であっても、起こる可能性があることは、いつか必ず起こってしまうということです。
一の目が出ないようにする対策、すなわち事件や事故が起こらないようにする対策(リスクコントロール)を行うのが重要であることは言うまでもありません。しかしながら、たとえ僅かでも起こる可能性が残っている場合、それはいつか必ず起こってしまいます。「起こる可能性があること」についても、それが起こった場合の万が一の対応(クライシスマネジメント)を考えておきましょう。
(参考)
・2012年5月21日(月)朝「金環日食」(国立天文台)
・安心豆知識「適確な事故対応で『安心』を」(2012/4/16)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |