ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > インターネットバンキングによる不正引き出しが増加の兆し
最近は、銀行の窓口やATMに出向いて行っていた振り込みが、パソコンなどを使って、自宅に居ながらできるようになり、非常に便利になりました。
しかし、便利になる一方で、それにともなう犯罪も多くなってきています。金融庁の調査によると、インターネットバンキングによる不正引き出しの被害が増加しています。
前年度同期比で87%の増加
銀行口座のお金を守るには、「通帳と印鑑は別々に保管しましょう」といわれてきましたが、届出印を通帳に押さなくなったり、通帳自体を発行しないこともあり、盗難通帳による不正引き出し犯罪は2010年度で234件と少なくなってきています。
盗難通帳による犯罪が減ってきた頃に増えてきたものが、偽造キャッシュカードによる犯罪です。一時は1000件に迫る勢いでしたが、2010年度は263件と下火になっています。
最近、もっとも多いのは、盗難キャッシュカードによる犯罪です。昨年度で6416件と、他に比べてひと桁多い件数となっています。これらの犯罪形態は、実際に金融機関の店舗もしくはATMに行かないと実行できないものです。ところが、店舗などに行かなくても、パソコンを操作するだけで実行できるインターネットバンキングによる犯罪が、いま拡がりをみせています。
右図で、2010年度と2011年度の第一四半期の部分を見てください。通帳やキャッシュカードを使った犯罪が前年度同期比で20〜40%減少する一方で、インターネットバンキングによる犯罪だけは増加しており、その増加率は87%となっています。
踏み台にされるパソコン
犯人は、「フィッシング」という手口を用いて、IDやパスワードを不正に入手します。フィッシングとは、電子メールなどを用いて、本物そっくりの偽のサイトに誘導し、IDなどを入力させて情報を盗み出す手口です。
IDやパスワードが入手できたら、あとはそれを用いて引き出すだけです。その際、身元を隠蔽するために、他人のパソコンを踏み台にしているようです。そのパソコンを調べると、ウイルス対策ソフトのアップデートを行っておらず、多くのウイルスに感染していたようです。そのため犯人に侵入されてしまい、あたかもそのパソコンが悪事を働いているように見せかけているのです。
家のカギと同様にパソコンにもカギを
以前のコラムで書きましたように、いまやネット犯罪の踏み台として個人所有のパソコンが使われるようになっています。最近のパソコンは、ほぼ100%がネットに接続されているといってよいと思います。ネットと利用している人が、よい人とは限りません。悪いことを考える人もつながっているということを意識していただきたいと思います。その悪い人が、あなたのパソコンに侵入してきたり、ウイルスを送り込まれたりすることのないように、お住まいのセキュリティと同様に、パソコンのセキュリティもしっかりと対策をしてください。
(参考)
・データから読む「個人が所有するパソコンがサイバー攻撃の踏み台に」(2011年10月05日)
・偽造キャッシュカード等による被害発生等の状況について(金融庁)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
金融機関での不正送金の手口別推移
(金融庁)
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