ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 泥棒の狙いのトレンドは?
東日本大震災が発生し、さまざまな支援が行われています。一方で混乱の騒ぎに付け込んで泥棒する"火事場泥棒"も発生しています。被災者の方々のことを考えると本当に胸が痛みます。
今回は泥棒の狙いを分析し、トレンドをまとめましたので紹介します。
一般的には「泥棒」と呼ばれていますが、警察の分類では「窃盗犯」と呼んでいます。そのうち、建物などに入り込んで金品を盗む泥棒を「侵入盗」といいます。この侵入盗の狙いが、一昨年あたりからちょっと変わってきています。
警察では、場所別に侵入盗を分類しています。これを見ると、どのような建物が狙われたのかがわかります。住宅、事務所、店舗、学校、病院などと分かれていますが、大きく2つに分けて、住宅とそれ以外に分けることがあります。侵入盗のうち住宅侵入盗の割合を見たものが、右図の折れ線グラフになります。
2010年に発生した侵入盗は約13万6500件で、このうち住宅を狙ったものは約7万4500件でした。率にして、54.6%の泥棒が住宅を狙ったことになります。この割合は、2000年頃から上昇し始め、2004年まで上がり続けました。2004年といえば、防犯建物部品と呼ばれる「CPマーク」が付いた建具が出始めた頃です。
また、前年の2003年にはピッキングツールなどを不用意に所持することを禁じた、通称ピッキング法が施行されました。正しくは「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」といいますが、ピッキングツールだけではなく、バールやドライバーなどの所持も、その対象に含まれています。
さらに、防犯パトロールなどの地域住民の方々の活動が増えてきた頃でもあります。これらの相乗効果によって、住宅を狙う泥棒に抑止が働いたのではないかと考えられます。
2004年以降、数年はあまり大きな割合の増減はありませんでしたが、一昨年の2009年に4%ほど低下し、54%台になりました。つまり、泥棒の狙いが住宅から、会社や店舗などにシフトしたことになります。この理由は定かではありませんが、それが昨年も続く状況となったのです。
ご家庭では、今回の震災の影響で「防災」についての準備を行っていることと思いますが、「防犯」についての準備も怠らないでください。
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
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