ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 2010年11月度報道から見る犯罪概況
日本中では常にさまざまな犯罪が起こっています。セコムIS研究所では、日々の報道にアンテナを張り、「日本の犯罪の今」を研究しています。今回は、いつもと趣向を変え、全国でなされたさまざま報道をベースに、先月(2010年11月)どのような犯罪が発生したかについて振り返ってみたいと思います。
まず、窃盗についてですが、電動ドリルに「ホールソー」という工具をつけてシャッターを破る手口が大阪で多発しています。「ホールソー」は、エアコンの配管工事などで使われる工具で、壁に比較的大きな穴をあける用途でよく使われるものです。犯人は逮捕されていないため、今後も同様の手口で侵入される事件が起こる可能性があり、注意が必要です。
強盗については、シニア女性を狙った犯行が東京都で急増しています。さらに東京都では、宅配を装う強盗も発生、両者が関連している可能性も指摘されています。また、事業者の売上や給与を狙う事件が各地で多発しました。愛知県では、会社役員が車で走行中、別の車で追突され、スキを見て泥棒を行う犯行がありました。今までにない手口なので、警戒が必要とのことです。
車関係では、愛知県で、イモビライザーを解除するための工具「イモビカッター」を不正使用した高級車盗が多発。また、兵庫県では、「ヤード」と呼ばれる「盗んだ車を解体する作業場」が摘発されて自動車盗が半減しています。兵庫県で犯行できなくなった自動車盗の一味が、別の地域に移動することが考えられます。カーナビ盗が京都府で増加し、トラック窃盗犯も逮捕されています。また、全国的範囲の車上荒らしが2件報道されました。1件は3人組で、もう1件は単独犯。いずれも逮捕されましたが、互いに関係はないそうです。
振り込め詐欺では、和歌山県で新たな手口の詐欺が2種類。一つは、シニア女性を狙った固定資産税還付。具体的には、市の職員を装って「還付金があるので振り込み先口座を教えてほしい。キャッシュカードや保険証を見せてほしい」と話す手口。二つ目は、シニア男性を狙った未公開株購入を勧めるもの。実在する証券会社の社員を名乗って、電話口で「社員割り当て株を購入すれば、購入金額の5倍の額で買い取る」などと持ち掛ける手口なそうです。
また、警察官になりすまして、シニア世代の被害者からキャッシュカードをだまし取る手口の日本人3人組が逮捕されています。3人は全国規模で犯行を重ねていたのですが、他にも共謀者が存在するかどうかは不明とのことです。振り込め詐欺では、これまでは、シニア女性が狙われることが比較的多かったのですが、シニア男性を積極的に狙う手口が出現したことから、警戒が必要と思われます。
今回は、いつもと趣向変えて「報道された犯罪の概況」という観点から、今の社会を見てみました。今後も、毎月1回この話題に触れ、犯罪の概況という観点から「現在の日本社会」を紹介します。
セコムIS研究所
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甘利康文
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