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4階建以上の集合住宅、侵入手口の1割が玄関の不正解錠

 先日、今年上半期の犯罪についてまとめられた「平成22年上半期の犯罪情勢」が警察庁から発表されました。その中で、住宅を狙った侵入窃盗犯が、どのような手口を使ったのかを見てみましょう。警察庁の統計では、住宅の分類を、戸建住宅、3階建以下の集合住宅、4階建以上の集合住宅の3つに分けています。これら3つともに、ガラス破りによる侵入がトップで、ついで無施錠箇所からの侵入と続きます。ここ数年、この2つがワンツーを独占しています。

 集合住宅について見ると、右図のように、3位に合かぎによる侵入が登場してきます。ここでは戸建の図は示していませんが、戸建住宅では、合かぎによる侵入は1%強と少ないのに比べ、集合住宅の場合は、4階建以上の集合住宅でおよそ10%、3階建以下の集合住宅でおよそ5%という状態が続いています。

 また、ピッキングやサムターン回しによる侵入は、住人の方々がシリンダーを交換するなどの対策を行ったことと、カギの業界団体が各種製品の対策を進めたことが功を奏して、認知件数は少なくなりました。しかしながら、ピッキングに弱いとされるディスクシリンダー錠(右下の図)を、いまだに利用されている方は、まだまだ多いようです。

 筆者の住む地域のマンション群は、竣工から30年くらい経っていますが、そこを600軒ほど見て回ったところ、シリンダーを交換されていたお宅の割合は53%でした。つまり、ピッキングしやすいディスクシリンダーのままのお宅が4割強残っていたのです。

 泥棒の侵入手口の主流は、ガラス破りと無施錠ですが、合かぎやピッキング、サムターン回しによる、いわゆる玄関からの侵入に対する対策もぬかりなく行ってください。合かぎによる侵入の場合、何らかの方法で鍵を入手したのでしょうが、一つ考えられるのは、賃貸住宅で前の住人が持っていた予備の鍵が使われたことも考えられます。賃貸マンションを契約する時に、シリンダーを交換してもらうことも大切な防犯対策です。また、ピッキングによる侵入の対策は、ピッキングに強いシリンダーに交換することが最も有効と言えます。交換するシリンダーのタイプにも寄りますが、そんなに高価な物ではありません。いまだにディスクシリンダー錠を利用されている方は、早めの交換をおすすめします。

(参考)
カギの安全対策(セコム・ホームサービス)

セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰

4階建以上の集合住宅の侵入手口(警察庁、2010年上半期) 4階建以上の集合住宅の侵入手口
(警察庁、2010年上半期)

3階建以下の集合住宅の侵入手口(警察庁、2010年上半期) 3階建以下の集合住宅の侵入手口
(警察庁、2010年上半期)

ディスクシリンダー錠の模式図 ディスクシリンダー錠の模式図

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