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警察庁は、2010年版の警察白書を公表しました。警察庁のウェブサイトの要約版によると「犯罪のグローバル化と警察の取り組み」という特集を組んでいます。日本国内で発生している犯罪が世界規模になってきていることに触れ、それに伴い海外の警察組織との連携がますます重要になってくると記しています。
来日外国人犯罪の認知件数については、他の犯罪と同様に、ここ数年減少傾向となっていますが、昨今の犯行の状況を見ると「数字だけでは把握できない治安に対する重大な脅威」であると記しています。過去の来日外国人犯罪は、短期滞在ですぐに本国に逃亡するような単発的な犯罪が多かったようですが、ここへきて、様子が大きく変わってきているようです。確かに、最近の犯罪で、規模が大きく手口が荒っぽいものが見られるようになってきました。壁に穴を開けて侵入された銀座の宝飾店の高級時計が海外で見つかったり、似たような手口の犯行が札幌や池袋で見られたりするなど、海外の窃盗団の仕業が疑われるケースです。
今回の警察白書の文面を引用すると、来日外国人犯罪の特徴として、 (1)世界的規模で活動する犯罪組織の我が国への浸透、(2)構成員の多国籍化、(3)犯罪行為の世界的展開の3つを挙げています。
右の図は、来日外国人犯罪の国別検挙人数です。中国が最も多くなっています。次いで韓国、フィリピン、ブラジルと続きます。中国は検挙される人数こそトップですが、この10年の検挙人員の割合のトレンドを見ると、やや減少しています。一方、中国と比べると少ないですが、フィリピンやベトナムは割合が上昇しています。これだけから、犯罪者の構成が多国籍化していると断言することはできませんが、まったく無関係とも言いきれないと思います。
いまやあらゆるものがグローバル化し、ついに犯罪の世界でもその波が大きなものになりつつあります。日本人の犯罪に比べ、外国人犯罪は凶悪かつ荒手と言われます。鉢合わせてしまうと非常に危険です。住宅対象であれ、事業所対象であれ、まずは侵入されないことですが、万が一の場合は身の安全の確保が最優先と言えるでしょう。
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
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