ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 煙と住宅用火災警報器〜土用の丑の日によせて〜
本日、7月26日(月)は「土用の丑(うし)の日」。街ではウナギを焼く煙とともに香ばしい香りが漂っていることと思います。日本には、もともと丑の日にうどん、うり、ウドなどの「う」の付くものを食べると体に良く、暑さに負けないとの言い伝えがあったそうですが、夏バテ防止のためにウナギを、という食習慣は江戸時代後期になってからとのこと。当時の知識人である平賀源内が、夏の売り上げ不振に悩んだウナギ屋から相談を受けて、その店頭に「今日は土用の丑の日」と書いた張り紙をして販促を行ったマーケティング戦略が、その発端と言われます。
ウナギなどの脂分の多い魚を焼く際には、脂身が溶けて火に落ち、それが煙になって香ばしい香りとともに広がることで、それがさらに人々の食欲を引き出します。煙とともに漂う良い香りに「土用の丑の日」を意識される方も多いことと思います。
ウナギを焼く際にさかんに発生するこの煙ですが、火災発生を早い段階で検知する手段としても使われます。一般に火災では、炎が発生する前に火元の周りでじわじわと火が広がる、燻焼(くんしょう)と呼ばれる現象が起き、それによる煙が発生することが多いのです。いわゆる「くすぶった状態」です。タバコや線香に火がついている状態をイメージすると分かりやすいかと思います。このくすぶった状態は、火災の初期に起こる現象であるため、煙の有無によって火災を検知する手法は、炎や熱を検知する手法に比べてより早い検知が可能となります。消防法によって住宅への設置が義務づけられた住宅用火災警報器(住警器)も、一般の環境に設置するものは、煙の有無で火災の検知を行っています。
一方で、調理による煙や湯気が発生しやすい台所などに設置する住警器では、煙や湯気による誤報を避けるために、火災によって上昇した温度を検知するタイプのものが使われます。しかしながら、この熱によって火災を検知するタイプは、熱源である炎がある程度の大きさになって、周囲温度が上がらないと反応しないため、煙を検知するものと比較して火災の発見が遅くなるという弱点があります。従って、台所から火災の警報音が聞こえた場合は、自らの身を守るために一刻も早く避難するなどの行動を取ることが大切です。
この住警器ですが、日本では4年前の2006年6月1日に改正消防法が施行されて、新築住宅における設置が義務づけられたため、現在、住宅を新築する際には、最初から業者が設置するのが普通になっています。また、既築の住宅についても、来年(2011年)の5月までに設置することが義務づけられており、その設置期限は各自治体の条例で制定されています。この設置期限ですが、地域によって異なることから、自分の住んでいる地域でどうなっているかは、自治体や消防などに確認してみてください。
消防法による、住警器の設置義務化の流れですが、米国における先例から、命を救う効果ありとの判断によるものです。皆さんはご自宅にはすでに付いているでしょうか。遅くとも来年の5月までには、すべての住宅において設置が義務づけられます。もし、ご自宅への設置がまだなら、まとまった時間の取れる夏休みの時期に、ぜひ設置を検討してみてはいかがでしょうか。
(参考)
・住宅用火災警報器を設置しましょう!(総務省消防庁)
・セコム「住宅用火災警報器早わかりガイド」(各自治体の設置期限、基準の確認も可)
・セコムの住宅用火災警報器「ホーム火災センサー」
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
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