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子どもと女性の安全のために、各県警に設置された「子ども女性安全対策班」ができて1年が経過しました。昨年4月の設置時から今年3月までに、1103人を摘発したそうです。しかし、この数字は氷山の一角としか思えません。
さまざまな犯罪の中で、子どもや女性が被害に遭いやすいものがあります。犯罪ごとに被害者の特性を見た場合に、年齢別に見ると、子ども(20歳未満の者)の割合が高い順に、略取・誘拐、強制わいせつ、公然わいせつ、強姦と続きます。また、男女別に見ると、女性の割合が高い順に、強姦、強制わいせつ、公然わいせつ、略取・誘拐などと続きます。これらの被害がどこで発生しているかを見ると、「道路上」が多くなっています。皆さんは、通勤や通学などでどのように道路を歩いているでしょうか。また、どのような道を歩いているでしょうか。
環境犯罪学の考え方で、ルーティン・アクティビティ理論というものがあります。これは、次の3つの条件が揃った場合に、犯罪が起こりやすくなるという考え方です。
1.犯罪を行おうとする者
2.標的
3.監視者の不在
これらのどれかが欠けるような道を選ぶようにします。標的である皆さんを除くわけにはいきません。また、悪事を働こうとする人間がどこに存在するのかはわかりません。したがって、監視者がいる道を選ぶことになります。小学生の登下校時に、防犯ボランティアが子どもを見守ることはありますが、会社の帰り道にもその方々に見守ってもらうことは無理です。したがって、比較的人通りの多い道を通ることが、被害に遭いにくくする手段と言えるでしょう。
次に、どのように歩いたらよいかですが、常に周りに注意を払い、万が一の場合にいち早く対応が取れるようにしておくことです。ケータイ電話の画面をじっくり見ながら歩いたり、ヘッドホンから流れる音楽に気を取られていたりすると、犯罪者が近づいてくることに気がつくのが遅れます。ケータイやヘッドホンを使うなとは言いませんが、周りへの注意を怠らないようにすることが大切です。言わば、危険を呼び寄せないように、自分自身が""監視者"となるようにするのです。
このように、歩き方次第で被害に遭うレベルが変わってきます。そもそも、犯罪者がいるから被害に遭うのであって、犯罪者をなくせば 被害はなくなるという考え方もあります。今回の「子ども女性安全対策班」の設置も、「声かけ」や「つきまとい」などの前兆事案をいち 早くキャッチし、指導や警告を行うことで、犯罪者を作らないようにする活動の一つといえます。しかし、先に述べたように「氷山の一角」であって、全体に対して対策を打つことは現実的にはできません。したがって、私たちが被害者にならないように、注意することが大切なのです。
(参考)
・子どもを見守るココセコム
・女性を見守るココセコム
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰
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